相続が絡む自動車永久抹消登録申請の際に自動車重量税還付申請を行わないことの是非

◯事案の概要

相続が絡む自動車永久抹消登録申請の際に自動車重量税還付申請を行わなくても問題はないか知りたい

◯相談内容

相続が絡む事案において、自動車永久抹消登録申請と同時に行う自動車重量税還付申請は、するもしないも任意であると考えて問題ないか?という質問です。

普通自動車を所有している女性が亡くなり、ご主人から自動車を処分したいとの相談がありました。(実際には、関与しているディーラー担当者から依頼。地域包括支援センターの職員の方がご主人の身の回りのサポートを一部行っている。)
 
亡くなられた女性には、配偶者たるご主人と息子さん(女性には離婚歴があるらしく、前の夫との子供かは不明)がいるらしいのですが、両者がかなり険悪な関係にあり、弁護士を入れたとしても遺産分割協議は限りなく困難である模様。職員さんの話では、息子さんが財産に対する欲が深いとの話があり、協議をするとなると実家等の不動産にまで話が及ぶので難しいとのではないか、また、ご主人の金銭的財産が十分ではなく、裁判所による手続きを行うのも困難とのことです。

自動車の永久抹消(自動車の解体)をすることにご主人は同意しているため、自動車登録手続きは行う方向で準備しています。そこで車検証を見たら、車検の有効期限まで1年ほど残っており、自動車重量税還付の対象となることが判明しました。ただ、ご主人は事情により銀行口座が作れなかったため、還付を受けると現金で管理するしかない状況で、ご主人からも、自動車重量税の還付を放棄できるのであれば放棄したいと言っており、財産管理の点からも、できれば還付を受けない方向で進めたいと思っています。

まず、運輸支局の担当者にこの旨を確認したところ、「相続が絡む場合で代表相続人単独による永久抹消を行う場合は、代表相続人に還付金を振込もしくは郵便局にて現金で受けてもらい、遺産分割協議に従って渡してもらうのが原則」と税務当局から言われて、還付を受けてもらうようお伝えしている、と話していました。

一方、国税局の電話相談ダイヤルにて国税局職員の方に同様の質問をしたところ、「税金の還付はあくまで任意であるため、しなかったとしても税務当局は何も言うことはない。」と回答されました。

国税通則法第56条には、「還付金がある場合には、遅滞なく金銭で還付しなければならない。」との趣旨の条文がありますが、自動車登録の実務では、永久抹消登録申請の際に同時に重量税還付申請を行わないと、後日、還付の申請はできないというルールにもなっているため、強制的に還付申請しなくてもよいとも考えられます。

このことから、私は、相続トラブルを避けるためにあえて還付申請をする必要はないと考えますが、問題ないでしょうか?

◯菰田弁護士の回答

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