相続放棄後の不動産管理義務と購入について

◯事案の概要

相続放棄後に不動産の管理義務から逃れるには相続財産管理人の選任で十分か、また放棄者が改めて当該不動産を購入することに問題はないか

◯相談内容

相続放棄後の不動産に関して、相談させてください。

[1]法改正の効果
法改正により放棄時点で占有している(住んでいたなど)方のみに管理義務が残ることになりました。ただ、実際には、周囲への実害(空き家放火からの延焼被害等)に遭われた方から請求される可能性はありえると思います。現時点では管理義務を負わないと結論づけることは時期尚早なので、完全に逃れるには相続財産管理人の選任が必要という認識を持っておりますが、いかがでしょうか。

2023年4月から相続放棄の管理義務の対象者が明確になり、940条の条文に、「その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは」という一文が明記されています。

【参考:民法940条】
相続の放棄をした者は、その放棄の時に相続財産に属する財産を現に占有しているときは、相続人又は第九百五十二条第一項の相続財産の清算人に対して当該財産を引き渡すまでの間、自己の財産におけるのと同一の注意をもって、その財産を保存しなければならない。

[2]不動産の買い取り
上記に関連し、相続放棄して相続財産管理人に管理が移ったあとに、相続放棄者が相続財産の不動産を購入することは可能でしょうか。できないという法的根拠を確認できなかったので、相続放棄の際にひとつの可能性として、提示したいと思っております。

相続放棄で借金からは逃れて、不動産は相続財産管理人から家庭裁判所の許可を得た時価で購入するという方法です。

◯菰田弁護士の回答

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