会社代表者の死亡退職金を内縁の妻へ支給したい

◯事案の概要

会社代表者の死亡退職金を内縁の妻へ支給するにあたっては規定を設けることで受け取りが可能か、また、株主総会で決議されない場合には受け取れないという認識でよいか

◯相談内容

会社代表者の死亡退職金の取り扱いに関して、相談させてください。

社長さんが、在任中万が一亡くなられた際、内縁の方へ支給してほしいと希望されています。

①労基法施行規則42条を鑑み、内縁の妻も支給対象者とする旨の退職金規定を設けていれば、受け取れるという認識でよろしいでしょうか。

②上記に加えて、公正証書遺言でも死亡退職金を内縁の奥さんへ遺贈させる旨を検討しております。

ただ、生命保険と同様に、死亡退職金はあくまで、指定された受取人の固有の財産になるので、遺言での指定は無効とも思っております。しかし、遺言者の意思を相続人に明確に伝えるためにも、あえて遺言に記載しておくことをすすめようと考えております。もちろん公証人がその記載を認めればの話ですが、いかがでしょうか。

③死亡退職金が実際に支給されるかどうかの論点を確認させてください。

内規に退職金額の支給基準や適用範囲が記載されていても、会社が「死亡退職金」を支給しなければならない法的拘束力はないとの記載見解を目にしました。

この事案は、離婚はされていて、愛人ではないものの、立場上、内縁の奥様から会社に対して請求することは難しいと思います。概ね株主総会で支給を決議するかと思いますが、決議されない場合、受け取れないという帰結でしょうか。

そうなると総会の議題提案、決議ができるように、内縁の奥様へ株式を生前贈与、遺贈する対応するしかないと思っております。

【参考:労働基準法施行規則 第42条】
遺族補償を受けるべき者は、労働者の配偶者(婚姻の届出をしなくとも事実上婚姻と同様の関係にある者を含む。以下同じ。)とする。
② 配偶者がない場合には、遺族補償を受けるべき者は、労働者の子、父母、孫及び祖父母で、労働者の死亡当時その収入によつて生計を維持していた者又は労働者の死亡当時これと生計を一にしていた者とし、その順位は、前段に掲げる順序による。この場合において、父母については、養父母を先にし実父母を後にする。

◯菰田弁護士の回答

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