医療法人と株式会社で役員を兼務することの是非について

◯事案の概要

医療法人と株式会社で役員を兼務することは、医療法人の非営利性からは好ましくないように思われるが、問題はないのか

◯相談内容

株式会社の経営者がM&Aにより事業ごと医療法人を購入し、経営者の親族でもある医師が当該医療法人の理事長として就任しました。医師は株式会社の監査役でもあり、株式会社と医療法人は取引関係にあります。

このようなケースは、医療法人の非営利性の観点から好ましくないという論点が生じるように思うのですが、株式会社の担当者からは「買収の際に検討したところ、医療法人と営利法人の役員兼務禁止における役員とは取締役のみであり、監査役はその役割に営利性が認められないことから禁止とされる役員には含まれないことを調べて監査役にした経緯がある」との回答を受けました。

私としては会社法第329条第1項に「役員(取締役、会計参与及び監査役をいう。)」という記述がある以上、上記の解釈は不合理ではないかと考えており、自治体から兼務解消の指導があった場合は、「医療機関の非営利性に影響を与えることがない」ことを証明する必要があるように思えます。また、監査役は会社経営に直接関与しないものの、影響力の大きなポジションであることは間違いありませんので、この点から役員に該当すると判断される理由になり得るのではないかとも考えます。

この見解は妥当でしょうか。

【参考:医政総発0330第4号 開設許可の審査に当たっての確認事項(1.医療機関の開設者に関する確認事項より抜粋)】
医療機関の非営利性に影響を与えることがないものであるときは、例外として取り扱うことができることとする。

◯菰田弁護士の回答

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