出資持分のある医療法人を退職する社員への払戻しについて

◯事案の概要

出資持分のある医療法人を退職する社員への払戻しを現物で行うことは可能か、また、不動産で払戻した上で当該物件の賃貸借契約を結ぶ、あるいは金銭での払戻しが出資額に対し不足している場合には差額を貸付として処理可能か

◯相談内容

出資持分のある医療法人の設立時に運転資金と固定資産等出資した社員の退職にあたり、定款上の「社員資格を喪失した者は払戻しを請求することができる」という定めに応じて払戻しを実行しなければならない状況です。

しかしながら当該医療法人は現在、事業を停止しており、財産のほとんどが固定資産であるため、出資の払戻しを現物で受け取ってもらいたいと考えています。

①少し古い通知にはなりますが、厚生省医務局(当時)の見解としては不動産の現物出資に対して金銭での払戻を可としておりますので、逆パターンである本件も問題ないという認識で大丈夫でしょうか。

②また、仮に事業が継続している場合でも、不動産で払戻した後に当該建物を賃貸することができるという前提であれば、問題ないと考えますがいかがでしょうか。

③更に仮定ですが、事業が継続しており金銭による払戻しが出資額に届かない場合、差分を社員から医療法人への貸付として処理することは可能でしょうか。払戻は現実に行わないと効力が生じない等ありますでしょうか?

尚、出資持分払戻額の算定方法はいくつかあるようですが、時価評価に基づく純資産額から持分割合にて算定する原則的な方法を想定しています。

【参考:昭和32年12月7日 総第43号 茨城県衛生部長あて厚生省医務局総務課長回答 一部抜粋】
退社社員に対する持分の払戻は、退社当時当該医療法人が有する財産の総額を基準として、当該社員の出資額に応ずる金銭でなしても差し支えないものと解する。

◯菰田弁護士の回答

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