労使協定方式を採用する派遣会社が労働局より行政指導を受けている

◯事案の概要

労使協定方式を採用する派遣会社が労働局より行政指導を受けている。明確な法違反でない限り手当等は増やしたくない

◯相談内容

労使協定方式を採用する派遣会社が、労働局より、派遣会社から派遣される非正規社員(有期)の家族手当不支給、賞与不支給、通勤手当不支給について行政指導を受けています。

当該派遣会社は赤字でコストが増やせないことから、明確な法違反でない限り、手当等は増やしたくない状況です。

もっとも、通勤手当に関しては最高裁判例も一貫していることから支給することにし、判例をふまえて、家族手当と賞与については、今後の検討課題として、以下のように回答しています。添付は状況のメモです(パ有期法と派遣法が錯綜しているのでご参考)

賞与ついて
・正社員としての職務を遂行し得る人材の確保や定着を図る目的で支給している
・正社員と契約社員との間には職務の内容に一定の相違がある
・契約社員は正社員に求める職務の内容が果たせる場合、正社員転換ができる
・契約社員として在籍する者はほぼすべて、契約社員をという雇用形態を選択している者なので、契約社員の賞与の不支給は不合理とまでは言えないと考え、当面は支給しない方針

家族手当について
・家族のある者の生活設計等を容易にさせることを通じて、継続的な雇用を確保する目的で支給している
・当社の契約社員として在籍する者はほぼすべて、契約社員をという雇用形態を選択している者
・当社の契約社員は短期的な勤務となる傾向があるため、人事制度としては契約社員には家族手当は支給しない方針
・契約社員の中でも、相応の継続勤務が見込まれる者については継続的に検討したい

しかしながら、上記回答でもおさまらず、労働局に何度も呼び出され、又は会社に訪問にやってきます。当該指導は明確な法違反ではない指導票発行にとどまっている事案ではあります。

パート有期法に関しては、違法であることが明確な場合を除いて、「助言、指導及び勧告の対象とはしない」という行政通達があり、当該通達の趣旨は派遣労働者への指導にも及ぶと考えております。

均衡待遇論で家族手当や賞与は最高裁判例はありますが、それに照らしてもケースバイケースで考えなくてはならず、本件につきまして違法であることが明確とは言えないと考えております。

上記は不当な行政指導であり、中止を求める事案と思料しますが、先生のご意見をお聞かせ下さい。

◯菰田弁護士の回答

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