会社が負担する賠償金額をセクハラの加害社員に負担させるという表現を退職合意書に入れたい

◯事案の概要

セクハラの被害者が会社に対して損害賠償請求を起こした際に、加害者に会社が負担する賠償金額を負担させるという表現を退職合意書に入れたい

◯相談内容

ある会社で、管理者がそこの事務員に長期間セクハラを行い、被害者の女性が退職。相手の旦那様が乗り込んできている事件があり、加害者が逮捕されました。

事務所は閉鎖予定で、そのタイミングで合意退職はほぼ固まっておりましたが、それまでに拘留から出てこれない可能性が高まりました。逮捕された社員とは既に話は済んでおりまして、退職には応じるという言質と退職日は会社に任せますとの言質も取っています。ただ、退職願といった書面は貰っていないということです。

それに対して、拘留が終わって出てきたら早急に退職願を受け取り、退職合意書にサインを貰うようにアドバイスをしました。その会社の退職金は中退共のみですので、退職金に関しては、減額や不支給は考えていないようです。

ですので、基本的な退職合意書を作成しようと思っていましたが、会社の要望が一点出てきました。

「今のところその様な兆候はないが、もしかしたら今後、被害者の女性が、会社に対して損害賠償請求(安全配慮義務違反?職場環境配慮義務違反?)を起こすかもしれない。その際に加害者に会社が負担する賠償金額を負担させるという表現を合意書に入れたい」と言われました。

入れられないことは無いと思いますが、その表現があるからといって、加害者の方が払えなければあまり意味がない気がしますし、その部分がネックになって、そもそも退職合意書へのサインを拒まれて、合意退職自体に応じないとなってしまうリスクもあります。

そう考えると、通常通りの表現の方がスムーズに進むと思いますが、菰田先生はどうお考えでしょうか?

会社がどうしてもその表現を入れたいのであれば、最初に、会社が被る損害に対しての賠償が記載されている合意書を出して、その部分がネックになってサインを拒まれたら、その部分が無い合意書を出して、サインを貰うという二段構えでも良いかとも思いますが。

◯菰田弁護士の回答

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