地役権について

◯事案の概要

新たに土地を購入し、新築建物を建設予定の甲の土地の上側に乙の土地建物がある。甲が新たに土地を購入し家を建てるにあたり、甲に相談し、市道を広げる形で甲の土地の一部に私道を設置することになった。
地役権を設定することになると、今後乙が所有している建物を処分した後乙以外の所有者が現れた場合、未登記であったとしても、新たな要役地所有者に対して通行地役権を認めざるを得ないことになるのではないか

◯相談内容

今回は土地に関する契約書について相談させてください。

相談者は新たに土地を購入し、新築建物を建設予定の甲です。甲の土地の上側に、乙の土地建物があります。(袋地というわけではありません)

乙は乙の家に行くために、甲が購入した土地に面した市道(幅2.0m程度)を通行していますが、この度甲が新たに土地を購入し、家を建てるにあたって、甲に相談し、市道を1.0m程度広げる形で甲の土地の一部に私道を設置することになりました。

新たに設置する私道に関して、甲は乙に無償で通行を許可し、仮に当該私道について修補等が必要になった場合には、乙が修補の費用を負担すること等を盛り込んだ契約書を作成したいとの相談です。

施工業者等にも勧められたらしく、通行地役権設定の契約書を作りたいと相談を受け、案文を作成しかけていました。

しかし、地役権を設定することになると、今後乙が所有している建物を処分した後、乙以外の所有者が現れた場合、未登記(今回双方登記まで完了する意思はないです)であったとしても、新たな要役地所有者に対して、通行地役権を認めざるを得ないことになるのでは?と考えました。

(市道を増幅する形で私道を設置するため、外観上要役地所有者が承役地を継続的に通路・道路として使用していることが明らかと見えるため)

現状、甲と乙との関係性があって、甲は乙に無償で通行を許可する意思があるようですが、所有者が変更となった後まで、その意思が継続することはないように思います。

①こういった場合、あえて、通行地役権設定契約ではなく、土地の使用貸借契約とした方が、解除や終了も進めやすく、甲にとっては都合が良いのではないかと考えるのですが、いかがでしょうか?

②仮に、通行地役権設定契約書とした場合に、契約条項として『本契約の期間は、乙が乙所有地の所有者としての地位を有している期間とする』といった文言を入れている場合、この契約書の存在を知らない第三者が要役地を取得した際に、この条文を持って、既に地役権設定契約は契約期間が終了していますよという主張ができるのかも気になっています。

◯菰田弁護士の回答

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