不定期な昇給を就業規則に反映させるとき
◯事案の概要
A社では不定期に昇給を行っているが、就業規則に反映させるにあたり、「〇条 労働者の能力等に応じて昇給を行うことがある」程度の記載でも問題がないか。また、退職金は建退共を利用する旨の条文を就業規則に盛り込むべきか
◯相談内容
建設会社(A社)より就業規則作成の相談を受けております。
①A社では不定期に昇給を行っています。これを就業規則に反映させるにあたり、「〇条 労働者の能力等に応じて昇給を行うことがある」程度の記載でも問題がないものでしょうか?
②A社では退職金として建退共を導入していますが、退職金は建退共を利用する旨の条文を就業規則に盛り込まなくてはいけないものでしょうか?
建退共は建設業をやめた時に支払われるのでA社を辞めても建設業界で働き続ける場合すぐには支払われません。
就業規則に記載する場合、A社の建退共の運用に問題がありまして、建退共は公共民間問わず、建設現場で働いた日数分の証紙を従業員に渡さなければいけないところ、A社では公共工事の現場において、元請からもらった分の証紙しか従業員に渡していないとのことです。
一人当たり、年間で7~8万円位にはなりますので就業規則で建退共を利用するとだけ書けば、現在より数十万円のコストアップにつながります。
かといって、建退共の本来のルールからすれば、元請会社より配布された証紙だけ渡す旨の条文を就業規則に書くのもまずい気がします。
私としては、就業規則への記入が必要であるなら今後はすべての現場において建退共の証紙分も含めた契約をしていってはどうでしょうかと提案してみるつもりなのですが、現実にはそう簡単にいかないと思います。
先生がこれまで担当されたケースで似たようなケースがあれば、どのような対応をされたか教えていただけないでしょうか。