完全子会社が親会社を吸収合併する場合の株式の取扱について
◯事案の概要
完全子会社が親会社を吸収合併する場合の株式の取扱について
◯相談内容
今回、存続会社の100%株主が消滅会社となっております。(完全子会社が親会社を吸収合併するパターン)
消滅会社の株主は、別の会社なので、会社法第749条1項3号(消滅会社が有する自己株式及ぶ存続会社が有する消滅会社の株式には対価の割り当てができない)にも抵触しないと理解しております。
①その場合、消滅会社で保有していた存続会社の株式400株は、存続会社の自己株式となるので、これを合併対価とする趣旨が第3条かと思います。
②今回のケースでは、400株が自己株式となって、それをそのまま対価にしているので、存続会社の発行済株式数は変動がなく、資本金だけが増額されると解釈しているのですが、この理解でよろしいでしょうか。
ある書籍によれば、「合併の前に株式分割すると発行済株式数の変動がない」とのことでした。ただ、その書籍の場合は合併比率を1:1にしたときの想定なので、今回の契約書のような記載であれば、同じく発行済株式数の変動はないと理解したのですがいかがでしょうか?)
③なお、自己株式の交付だけでも、資本金の増額ができるかについては、問題なく増額できると考えております。
④株式交換に伴い、資本準備金を減少させると会社及び会社の税理士さんから、依頼を受けているのですが、この場合資本準備金が減少するため、株主総会決議や債権者保護手続きが必要に思えるのですが、いかがでしょうか。(会社法448条、449①)