役員貸付金も相続財産にあたるか
◯事案の概要
父親が数千万円を役員貸付金として会社に貸し付けているが、会社からの返済原資もないため返済してもらえる見込みはない。この役員貸付金も相続財産にあたるか
◯相談内容
本日は遺留分についてご質問いたします。
父Aと母Bと長男Cと長女Dの家族です。父と母が株式会社甲社を1000株ずつ持ち店を経営していますが、高齢なこともあり、売上げはあるものの利益は0円(年によっては赤字)です。欠損金も約1500万円で株価の評価も0円です。
資産もほとんどありません。銀行からの借入金もありませんが、父が数千万円会社に貸付けています。いわゆる役員貸付金です。
これは過去の役員報酬の未払いや銀行の返済の肩代わりをしたため膨らみましたが、会社からの返済原資もないため返済してもらえる見込みがありません。
ここから質問ですが、この役員貸付金も相続財産になりますよね。それとも、返済の見込みがないので返済見込みがある金額だけ相続財産になりますか?
CとDの仲が悪いため、父は遺言書を書いてDに多く残そうとしています。役員貸付金もDに相続させるつもりです。
この役員貸付金だと遺留分侵害額の金額が大きくなります。もし役員貸付金の評価が下がると遺留分侵害額の金額も少なくなると思いますが、いかがでしょうか?
私は、会社があるので役員貸付金が相続財産になり、遺留分侵害額請求の対象になると思います。