中退共を廃止し、確定給付年金で原資を運用することにした

◯事案の概要

中退共で退職金積み立てを運用していたが、廃止して確定給付年金で原資を運用する。その際、中退共の加入者は新規定施行に合わせて解約させ、解約金を現時点で全額会社に戻させるという運用をすることになった

◯相談内容

中退共で退職金積み立てを運用していたお客様がいるのですが、これを廃止し、今後は確定給付年金で原資を運用することになりました。合わせて退職金規程を改定します。

当初の計画では、中退共の掛け金だけを今後ストップし、将来的に退職した場合、中退共加入者は、中退共から支給される金額を、新規定で計算する退職金支給額に充当するという方針でした。

(充当さえないと、2重払いで退職金規定で定めた額をオーバーしてしまう為ため。また、オーバー分を退職時点で本人から返金させるという方法もリスクを感じたため)

参考:湘南精機事件「中退共による受領退職金の返還請求」(東京高裁H17.5.26:労判898)

しかしこの方法ですと、確定給付年金での積み立て運用がうまく行かないようです。今までの中退共での掛け金がバラバラなため、新規定における退職金支給額に合うよう個人ごとで確定給付年金の金額運用をしようとすることが、保険会社の運用上困難なためです。

中退共の加入者は、新規定施行に合わせて解約させ、解約金を現時点で全額会社に戻させるという運用をすることになりました。(中退共の掛け金は当然全額会社が支払ってきたため)

解約に伴う税金が発生した場合は、会社が負担するなど、社員様に不利になることはしないように配慮します。

中退共の中途解約金は会社に戻させますが、新規定において、勤続年数を当初入社時より計算し、新規定における計算式で支給すれば、ずっと中退共で掛け続けた金額よりは多くなるらしく、本スキームは問題ないと私は思っているのですが、何かリスクがありますか?

◯菰田弁護士の回答

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