情報漏洩を理由に、問題社員を解雇したい

◯事案の概要

元々問題の多い職員が、入所希望の家族の情報を自分の友人(入所希望の家族の親戚)に話した。この件で普通解雇、または懲戒解雇を検討している

◯相談内容

普通解雇、または懲戒解雇を検討している事案についてご相談させてください。

以下の案件において、労働契約の解除というゴールは決めておりますが、普通解雇または懲戒解雇はいずれが妥当であるか、または解雇無効を訴えられる可能性があるかをご教授ください。

障害児童福祉サービス施設での以下の事案です。

対象者Aは、日ごろから会社の方針に反発しているアルバイト社員です。(日頃からいろいろと問題が多い)Aは保育士の有資格者です。

懲戒解雇相当事案として、Aは個人情報の漏洩をし、会社に不利益を与えた。

【具体的な内容】

福祉サービス紹介機関を通して、入所希望の家族が母子で来所。Aは、その入所希望の親(以下B)の義姉(以下C)と友人関係にあり、調書をみてCがBの義姉だと気づく。

B母子の見学後、AはCに対して見学にきたBのお子様の様子を話してしまう。

それを聞いたCはCの実母(Bの義母)に話す。Bは義母から「福祉施設に見学にいったようだね?」と聞かれ、はじめて、AがCに個人情報を漏洩した事実を知ったとのこと。

その事実を知ったBは、サービス紹介機関に個人情報を漏洩された事実を伝え、紹介機関から施設にクレームがきて、全職員に面談し確認したところ、Aが個人情報を漏洩していた事実が発覚。

その後、入社時にも誓約書を交わしてあるむねを伝え、Bから訴えられかねない事案である旨を話したところ、反省すべきところを「じゃあどうすればよかったんですか?」といわゆる逆ギレ的に返答。「どうもこうもなく、そもそも情報を漏らしてはいけない」と厳重注意しました。

保育士の有資格者であることからも、センシティブな個人情報の漏洩は免許の取り消し事由に該当する旨伝える。

【会社でのその他これまでの対応】

・本人がパニック障害だといっている(原因は社長の存在とのこと)。病気について周りにも配慮を求めていたそうで、「休職して元気になってからきては?」と諭しても応じない。
・「会社の方針が気に入らないのなら、他で働くことを考えてないのか?」と問うと、「他の所で働く自信がない。社長は嫌いだが、他の社員さんは好きだから他に行く気はない」
・やりたい仕事を限定する

Aがアルバイトでありながらも、会社を起こした当初からのメンバーなので、他の職員も逆らえず萎縮してしまっている。会社側としては、もうこれ以上振り回されたくない。

会社側には昨日、なるべく退職勧奨、個人情報の漏洩の件もあるので、それに応じなければ懲戒解雇、または総合的にみて普通解雇を提案しました。

相手側は弁護士に相談していることを連絡してきているそうです。折り合うことはなさそうなので、このまま普通解雇または懲戒解雇で進めようと意思確認しています。

本事案について、問題点、ご指導があればご教授ください。

◯菰田弁護士の回答

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