コンサルタント契約を解除したときのキャンセル料について

◯事案の概要

持続化補助金の申請をしたいとの相談があり、知り合いの中小企業診断士を紹介した。事業計画の費目の中にコンサル業務を組み込んでほしいという話があったため合意したが、クライアントとA氏の信頼関係が破綻し、クライアントがコンサル業務を拒否しているが、コンサルタント側は、コンサルは実施されないとしても費用は請求すると主張している

◯相談内容

持続化補助金の申請をしたいとの相談があり、知り合いの中小企業診断士(A氏)を紹介しました。

(依頼前の報酬の合意)
着手金10万円 + 成功報酬10%

お客様含めて面談をしました。その際A氏から、補助金のみの仕事は受けていないので、事業計画の費目の中にコンサル業務を組み込み、その予算(20万円)を計上してくれとの話がありました。

その段階ではコンサル内容を詰めて承諾したわけではないですが、申請期限まで猶予がなく時間も限られていたため、OKをして先に進みました。

その後、申請の準備をしていく中で、お客様とA氏の信頼関係がギクシャク
するようになりました。(お客様がA氏との会話が噛み合わない、上から目線の態度が気になるなど)

なんとか申請は終わったものの、その後、私は、お客様より「A氏とのコンサルは依頼したくない」との相談を受けました。それを受けて、私はA氏に事情を説明し、コンサル契約はお断りをしました。この時点で、コンサル契約のキャンセルは合意済みと理解していました。

その後、採択が発表され、お客様が採択されたことをA氏が知り、コンサル契約の継続を迫っています。しかしながら、お客様はA氏との連絡は一切取りたくないというほどの関係であり、コンサル契約は履行されません。

●A氏の主張
A氏は、当該補助金申請業務は、コンサル契約を前提とした仕事である以上、
たとえ、コンサルは実施されないとしても費用は請求すると主張します。

また、コンサル契約をキャンするのであれば、キャンセル料として同額を請求すると主張します。

●私の見解
コンサル契約がキャンセルとなった遠因がA氏にあるにも関わらず、履行されていない報酬を支払う義務はないと考えます。また、キャンセル料としても、あらかじめの合意はないため、損害が発生した分のみの支払いで足りると考えます。

この場合、飲食店などのように食材を準備するようなこともなく、このための予定を確保していたという事情もないことから、損害は発生しておらず、キャンセル料の支払いも不要と考えております。


前記のとおり、コンサル契約分に相当する報酬、キャンセル料の支払いは不要という理解で良いでしょうか


A氏は、コンサル契約がなかったとすると、補助金申請業務についての報酬が、10万円ではなく、30万円であった。よって、着手金部分として30万円を請求するとも主張します。

こちらについて、コンサル契約のキャンセルはお客様側の一方的な事情による
ものではなく、やむを得ない事情であったことから、補助金申請業務についての報酬は当初の予定どおり10万円であるという理解で良いでしょうか


費用の請求はお客様に対してではなく、紹介元である私に対して請求をしてきます。(お客様の認識では、お客様は私に発注、私からA氏にアドバイスを頼んだというものであり、私もお客様にそのように説明していた)

私としては、不当な要求のため支払いの拒絶をしようと考えていますが、A氏は、お客様のことを補助金事務局に「報酬を支払わない不誠実な事業者であるから補助金の交付はするな」と訴えるといっています。

このような状況において、適切な対処はどのようなものが考えられますでしょうか。

私としては、本件にかかる労力とA氏は何をいっても無駄であろうと考えらえることから、金銭を支払って終わらせてしまうのが得策ではないかと考えております。

◯菰田弁護士の回答

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