脅迫等の事情で依頼人が懲戒解雇された場合、その後の指示に従うべきか

◯事案の概要

新代表の就任登記と、現代表者兼100%株主から新代表と従業員の株式譲渡について受任したが、途中で従業員が解雇された。また株式譲渡についても従業員からの脅迫があったため撤回したいとの話があった。そのような中で、従業員から書類を弁護士事務所に送付してほしいとの連絡があったが従うべきか

◯相談内容

依頼者は新代表者のB及び従業員Cで、株式譲渡契約書のひな型と役員変更登記に必要な書類を提供。依頼内容はBの就任登記と、現代表者兼100%株主であるAからBCへの株式譲渡です。

Aに捺印をしてもらったとの事で書類一式を預かるが、書類等が揃っておらず保留。その後Aより連絡がある。B及びCへの株式譲渡はCからの脅迫によるものであり撤回したい。また代表者変更登記は止めてほしいとの事。さらにCを詐欺、横領の疑いで懲戒解雇をしたとのこと。

後日Cより連絡がある。私が預かっている以下の書類を弁護士事務所に送付してほしいとのこと。

・株式譲渡契約書
・Aの取締役辞任届
・Aの印鑑証明書
・Bを選任するための議事録(日付は空欄)

このような事例なのですが、Cの指示どおり、弁護士事務所に書類を送付すべきか悩んでいます。Aは、辞任届、譲渡契約書に自署、実印捺印していますので、書面としては重要な書類です。ただし、Aは脅迫、錯乱状態で署名をしたと言っています。そしてAは、Cの脅迫などの場面を録音しており、警察に相談しており、まもなく逮捕される見込みと言っています。

登記の前提であるBの選任に疑義があるので登記申請はしない旨をA及びCにしています。すでにCはクライアントの従業員ではなくなっていますが、その指示により弁護士事務所に書類を送付して良いのかという点において対応に苦慮しています。

◯菰田弁護士の回答

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