日本人の国際結婚において、役所の対応が異なるため戸籍への婚姻事実の記載ができていない

◯事案の概要

外国人であるBは日本人であるDとの婚姻届を役所に提出した。しかし役所によって対応が異なり、婚姻届けが受理されているにも関わらず戸籍への婚姻事実の記載ができていない

◯相談内容

外国人のA国人BはC(日本人)と協議離婚後、D(日本人)と交際を開始し、Dとの婚姻届をF市役所に提出し、受理されました。BとDの婚姻届受理証明書は即日発給されました。

Dはその後本籍地であるG区役所に婚姻の記載のある戸籍謄本を取りに行きましたが、G区役所は「すぐに戸籍謄本に婚姻の記載をできない、よって法務局に照会をかける」との対応でした。

そのため、婚姻届けが受理されているにも関わらず戸籍への婚姻事実の記載ができておりません。この状態で、もし法務局が戸籍への記載をすべきではないという判断をした場合、どうなるのでしょうか。

当方が想定する答えとしては、以下の通りです。

1.婚姻届けの受理証明書はあがるが、夫の戸籍は独身のまま

2.さかのぼって職権で婚姻届けは不受理となってしまう

F市役所の担当者はA国で両親によるBの結婚についての同意書の作成が不要と考えており、当該同意書がないことを認識しつつ、受理しても問題ないと考え、婚姻届けを受理しました。

一方、夫の本籍地G区役所の担当者は、今回のBの結婚には両親の同意書の作成が必要と考え、同意書がない以上、F市役所は本来婚姻届けを受理できないケースで受理したと考えています。

同様のケースでは全国各地で同意書なしで婚姻届けは受理されており、問題なく戸籍への記載はされています。そのため、F市役所が一見して明らかな法解釈の誤りや事実誤認をしているわけではありません。

つまり、これは「日本でA国人が日本人と再婚する場合にA国で親の同意がいるかどうか」という明文のない外国法の解釈が争点です。

また、親の同意書については、本国ではそもそも初婚の場合に結婚前に作成するものですので、A国では結婚後に作成することは想定しておりません。そのうえ、すでに婚姻届けが受理されておりますので、日付の関係で結婚前にさかのぼって取得することもできません。

本件において、すでに婚姻届が受理されているにもかかわらず2のような結論はあまりに不都合であると思いますが、法的に2のような結論がありうるのかが私の知りたいところです。

◯菰田弁護士の回答

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