貸切バス会社の運賃と当会社を手配した旅行業者が受け取る手数料との関係について

◯事案の概要

一般貸切旅客自動車運送事業者(貸切バス会社)の運賃と、当該運送事業者を手配した旅行業者が当該運送事業者から収受する手数料との関係について

◯相談内容

  1. 貸切バス会社は、事前に運賃を届け出なければならない(道路運送法第9条の2第1項)
  2. 貸切バス会社は、事前に届けた運賃ではない金額を収受した場合、道路運送法上違法(同法第98条第1号、2号)
  3. 実務運用としては、同法第9条の2第2項が準用する第9条第6項の国土交通大臣(権限委譲で各運運輸局長)の命令で定めた範囲内で運賃収受する必要がある
  4. 一般的に、旅行業法上の登録を受けた旅行業者が、旅行者のために貸切バスを手配する際、貸切バス会社が設定した運賃から、旅行会社が受け取るべき手数料を引いた金額をバス会社から収受する

以上の前提において、④の「運賃-手数料」の金額が、前提③の運輸局長の命令で定めた運賃範囲の下限を下回る場合、道路運送法第98条第1号、2号違反となるかどうか。

運輸局長命令の運賃下限が100円だとして、

パターンA:旅行業者が運賃から手数料を相殺した金額(運賃120円、手数料30円の場合、90円)を受け取るパターン

パターンB:旅行業者が先に運賃(120円)を支払い、後日バス会社から手数料(30円)を回収するパターン

パターンC:パターンBの逆で先に旅行会社が手数料を収受し、あとからバス会社に運賃を支払うパターン

いずれのパターンでも下限運賃を下回るとみなされるのかどうか。

法律上このような手数料を抜かれる形での規定は見当たらず、唯一見当たったのが、平成29年12月26日 観光庁参事官 事務連絡で、この中に「過大な手数料により実質的な下限割れとなっていないかについて」との記載があるため、実質的な判断をしているということであれば上記パターンはいずれも下限を下回るとみなされてしまう認識でいます。

※当該事務連絡

今回はバスを手配する旅行会社からの問い合わせです。貸切バスの下限運賃を下回っているとみられるバス会社を手配すると、旅行業法上の違反行為で(旅行業法第13条第3項)登録取消対象(同法第19条)となります。

◯菰田弁護士の回答

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