ノーアクションレター制度の照会書作成について

◯事案の概要

国交省に対し「貨物自動車運送事業法上の許可(一般貨物自動車運送事業の許可)を取得する必要があるか」という法令適用事前確認手続(ノーアクションレター制度)を代理することとなったが、この照会書作成についてアドバイスが欲しい

◯相談内容

A社はフランチャイズ方式で飲食店事業を営んでいますが、各店舗へ送る食材を自社工場にて用意し、配送しています。現在は外部の運送会社を利用して配送していますが、最近の法改正により運送会社が値上げを要請してきています。

それによって運賃の上昇が大きな負担となるため、今後は有償でフランチャイズ店に対し自社で配送を行おうと考えています。そこで、ご相談としましては

①貨物自動車運送事業法上は、【この法律において「一般貨物自動車運送事業」とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車(三輪以上の軽自動車及び二輪の自動車を除く。次項及び第七項において同じ。)を使用して貨物を運送する事業】(第2条2項)となっています。

「他人の需要」がフランチャイズ加盟店への配送の場合は当てはまらないと主張するための論拠について、フランチャイズ加盟店とはそれぞれ独立した営業主体ではあるものの、あらかじめフランチャイズ契約を結び、同じ商標・ノウハウ等を用いて、運営して行く関係にあるため、「他人の需要に応じ」の他人には当たらないと考えています。

②直接の法令上の根拠を発見できていないのですが、「当該運送行為が自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる場合は、当該運送行為が主要業務の過程に包摂しているものと認められ、貨物自動車運送事業法上の許可等を要しない」という見解が、この制度のHP上にある他の回答事案によく登場します。

そこで、今回の配送が生業と密接不可分であると説得力をもって説明する論拠については、同じ貨物自動車運送事業法に関連して平成25年11月29日付けで照会のあった「島根県農業協同組合中央会からの法令適用事前確認手続」について、平成25年12月26日付けのその回答書において、自動車局貨物課長は以下のような見解を示しています。

「貨物自動車運送事業とは、他人の需要に応じ、有償で、自動車を使用して貨物を運送する事業をいい、当該行為については、貨物自動車運送事業法に基づく許可等が必要となる。

ただし、このような行為であっても、当該運送行為が自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる場合は、当該運送行為が主要業務の過程に包摂しているものと認められ、貨物自動車運送事業法上の許可等を要しないこととしている。」

これを考慮すると、今回の運送行為は一般顧客ではなく、あくまで自社と契約を結ぶフランチャイズ加盟店に対して、生業である飲食店事業に必要な食材を自社工場から配送する目的です。

そのため、自己の生業と密接不可分であり、その業務に付帯して行われる場合と思われるため、許可の取得は不要と考えています。以上の見解について、先生のご意見をいただきたく存じます。

◯菰田弁護士の回答

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