賃料・地代の支払方法の変更に関する「覚書」の作成に関する質問

◯事案の概要

賃料・地代の支払方法の変更に関する「覚書」の作成に関する質問

◯相談内容

ある法人(以下、「A社」という)の代表取締役(以下、「B」という)から、賃料・地代の支払方法の変更に関する「覚書」の作成の依頼がありました。

A社は今期、利益がかなり出ているので、法人税法基本通達上のいわゆる「短期前払費用」を適用すべく、年内に覚書を取り交わし、来期の一年分の賃料・地代を支払い、節税効果を期待しているようです。また、節税効果の点や来々期以降の継続の要否等、税務面についてはA社の顧問税理士に相談済みとのことです。

質問は以下のとおりです。
①土地につき、建物につき、それぞれ複数の賃貸借契約を締結済みなので、大枠となる覚書のひな形を作成し、当初の賃貸借契約の日付、賃貸人(及び物件の表示)等の箇所を変更することで対応しようと考えていますが、この対応方法につき、何か問題はあるでしょうか?
※Bからは、ひな形のデータを送信してくださいとのリクエストがあります。
私のとしては、当初の賃貸借契約の特定さえできれば、当対応方法もベストではないがベターであると考えます。

②「毎月末日までに翌月分の賃料を支払う」という記載を、「毎年12月31日までに翌年分の賃料を支払う」としたいのですが、問題ないでしょうか。

覚書の第1条はコアとなる部分ですが、土地賃貸借契約に関し重要な事項を変更する覚書は印紙税の課税文書に該当するので、年払いによる一年間の賃料の総額を記載しない方が印紙税の観点から無難(200円で済む)かと思い、賃料の総額は記載しておりません。

この点については、月払いから年払いへと支払方法を変更するのみでその他の事項は変更しないので、この内容で過不足ないものと考えます。

③覚書を作成するにあたり参照した書籍では、当初の賃貸借契約を特定する事項として、賃貸人及び賃借人と当初の賃貸借契約の日付のみを記載していて、物件の表示を記載していません。特定として、物件の表示は必要不可欠でしょうか?

賃貸人、賃借人及び当初の賃貸借契約の日付で十分特定できるため、物件の表示は不要であると考えます。

④連帯保証人であるB個人や保証会社が本覚書に関与(本覚書に調印するなどの関与)する必要はあるでしょうか?

この点は、月払いから年払いへと支払方法を変更するのみで連帯保証人及び保証会社の負担する債務に何ら変更はないので、B個人や保証会社が本覚書に関与する必要はないものと考えます。

◯菰田弁護士の回答

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