子会社の作り方と出資の割合について

◯事案の概要

美容師の独立を防ぐため、子会社の代表取締役に据えて経営を任せたいと考えている。この場合、子会社の作り方としてはフランチャイズ契約を結ぶことが妥当か。また、子会社への出資割合について、親会社と子会社の代表取締役でどう負担をするのがよいか。将来の上場を見据えて適切な方法を知りたい

◯相談内容

一般的に、美容室では、しばらくすると店長クラスの美容師が独立してしまい、客もその美容師についていってしまって経営が厳しくなることがよくあります。そこで、独立してしまう前に子会社を作り、美容師をそこの代表取締役に据えて完全な独立を防ぐという方法を検討しているそうです。

その子会社に新たに美容室をオープンさせて、経営を任せます。株式上場を視野に入れているため、連結決算の対象にする点は外せないとのことです。そうすると、親会社と子会社で、フランチャイズ契約を結ぶのがよいかと考えています。その理由としては、以下の通りです。

・親会社のブランドを生かしたい
・利益が出るようになったらロイヤリティを得られるようにしたい
・会社を分けることで、経営者になったという満足感を与えたい

このときの、子会社の作り方、契約書の内容についてご相談させてください。

①子会社の作り方
子会社の作り方として、親会社が100%出資する、または、親会社が51%~99%出資し、残りを子会社の代表取締役自身が出資するという2つの案を考えました。私は、後者の案のほうが自覚が生まれてよいように思います。

・子会社の代表取締役にも49%出資させておくことで、将来的にその会社を本人が買い取ることも可能になってモチベーションにつながりやすいのでは
・融資を受ける際に、親会社が100%株主となって出資すれば親会社の保証だけで済むが、代表取締役が出資するとなると、その代表取締役の個人保証も求められるのではないか。そのとき、代表取締役自身には資金力がないので、それでは融資が難しくなる可能性がある

この2つの視点のバランスをとって、親会社の出資比率を90%くらいに増やして代表取締役自身の出資を10%程度に抑えれば、そのリスクを減らせるのではと考えました。将来の上場を視野に入れたとき、それで問題が生じるかどうか、アドバイスを頂けないでしょうか。

②契約書の内容について
社長からは、「損益分岐点を超えるまでは親会社への上納はなくてもいい」という気持ちを聞いています。できるだけ自由に経営させながらも、連結決算の対象からは外したくないという考えです。この要望に応えられるようにフランチャイズ契約書を作るとすると、次のような疑問が浮かびました。

・子会社がフランチャイズ契約を打ち切って完全に独立したいと言い出したとき、それを防ぐにはどうすればよいのか
・最初はロイヤリティを「ゼロ」にしておいて問題がないのか
・店舗出店費用を親会社が持てば、子会社のスタートはやりやすくなる。子会社自身が持つようにすれば、それだけ真剣に経営するようになるとも考えられる。そのような考え方で選んでよいか
・「売り上げが予定よりも上がらない場合にはペナルティを科す」と伝えておくことで、必死に経営するようになるのではと考えているが、ペナルティの方法として代取を他の人に交代させることを考えている。これに法的な問題はないか

これらの疑問について、アドバイス頂けませんでしょうか。
よろしくお願いいたします。

◯菰田弁護士の回答

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