お墓の名義変更をするとき、相談先は司法書士か弁護士か

◯事案の概要

絶縁している兄弟名義の父親の墓の名義を自分に変えたいが、司法書士と弁護士のどちらに依頼すれば良いか

◯相談内容

相談者(次男)のお母様が亡くなりました。長男がすでに他界されたお父様のお墓の管理をしているそうですが、相談者と長男は絶縁状態です。

相談者は、お母様をお父様と一緒のお墓に入れてあげたいと考えています。長男には子がなく自分には子供がいるため、名前を守るためにも、お墓は自分が見ていきたいそうです。

そこで、長男名義のお墓を自分の名義にして今後守っていきたいということなのですが、司法書士に相談したところ「やってみないとわからないが着手金を頂きます」とのことでした。司法書士さんにお願いする仕事なのでしょうか?

私の見解ですが、絶縁状態のため、本人の代わりに動いてもらうとなると相談者は弁護士ではないかと思っています。

◯菰田弁護士の回答

弁護士でしょうね。
手続としては、弁護士がまずは代理人として長男と交渉します。そして交渉がまとまれば、合意した上でお墓の名義を移すことになります。

交渉がまとまらない場合は、祭祀承継者の決定調停というものを家庭裁判所に申し立て、調停委員を間に挟んで協議を行います。この調停でも話がまとまらない場合には、家庭裁判所がどちらがお墓を守っていくべきかの審判を出すことになります。

このような手続きで進みますので、明らかに司法書士ではなく弁護士の業務範囲でしょう。