2人いる社員のうち1人を解雇したいため、営業所を閉めて一旦2人とも解雇しようと考えている

◯事案の概要

2人いる社員のうち1人を解雇したいため、営業所を閉めて一旦2人とも解雇したあと、もう1人とは改めて業務委託契約を結びたい

◯相談内容

私の顧問先の会社の件でご相談です。
A県が本社で、工場となっていて機会オペレーターが中心の職場です。B県には営業所があり、こちらには2人の営業マンがおります。

業績が苦しいのと、B営業所の成績が上がらないので、B営業所を閉めたいというご相談を受けました。しかし、よくよく話を聞くと、2人の営業マンのうち1人は残したいとのこと。

もう1人が問題で、社内で一番の高給取りですが、全く営業成績が上がりません。こちらの方を解雇したいそうです。

そこで、「業績不振により、B営業所を閉めるので、Aへの転勤をしてほしい。ムリであれば、会社都合の解雇でも良いから辞めてほしい」と交渉したいとのこと。

退職金制度はないため、特別に功労金として100万円程度は支払いたいと考えています。なお、もう1人の社員も同じく一旦は辞めてもらうが、その方とは業務委託契約を結びたいそうです。

私としては、解雇となった場合の会社のリスクを説明したうえで(弁護士事務所や外部組合へかけ込まれる等のリスク。裁判になったら、長期戦になって、かなりの金銭的負担がのしかかる可能性が高い)何とか退職勧奨にもって行けないかという話をしました。あくまでも解雇は最後の手段ということで。

退職勧奨の際のポイントとして、以下のようなアドバイスを行いました。

・解雇したい社員との面談は、複数人で行うこと
・面談の際は、本人に断ったうえで録音を行うこと
・流れとしては、B営業所閉鎖に伴って、A県に転勤することは可能かということを一応打診。
・B転勤がムリなら、功労金を準備するので自分から退職してくれないかと促す。どうしても会社都合解雇を希望する場合は、功労金は出せないということで話をする
・その場で直ぐに返事をもらえないと思う。ある程度の長期戦は覚悟の上だが、ずるずると長期戦には持ち込みたくない。そのため、功労金を支払うことが出来るのは、今日から1カ月以内(この期間は会社で決めて貰います)に返事を貰えなければ、功労金は出せないと話をする。

こんなポイントを説明してきました。
菰田先生の方で何か補足や、こうした方が良いよというアドバイスがあれば頂ければと思います。これが1つ目の質問です。

次に2つ目の質問です。
残したい方についてです。

社長としては、B営業所を閉めるという大義名分でもう一人の社員を解雇したいので、B営業所をこのまま残すという選択肢は考えていないようです。そこで、この社員とは業務委託契約を結べば良いやと結構安易に考えていました。

業務委託契約の場合、労働者と会社のリスクがあるので、そんなに安易に考えるべきではないという話をして、例えば、B営業所はいったん閉める。そして、新しい別法人を立ち上げて、その新会社で再雇用するという方法もあるのではないかと提案をしてきました。

この方とはしっかりとコミュニケーションを取れているので、トラブルになる可能性は低いとのことでしたが、業務委託契約を結んでいるときに、仕事中に大きな事故にあってしまったりした場合はお互いに大きなリスクなので、できれば雇用契約の方が良いとアドバイスをしました。

◯菰田弁護士の回答

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