法人を分社した後利益が出たため、一部の従業員に何らかの手当を支給したい

◯事案の概要

法人を分社した後利益が出たため、一部の従業員に何らかの手当を支給したい

◯相談内容

賃金の支払い方についてご相談です。

あるシステム系の会社が企業内の一つの事業部を分社化。創業以来初の赤字で、分社することで業績を盛り返そうとしました。

【顧客からの相談】
分社から時間が経ち、スタッフがかなり辞めてしまった。一方でこの半期の間に利益がでた。

その利益を頑張ってくれた従業員に6ヶ月にわたり何らかの手当として還元したい。(6ヶ月間の合計で100万程の支給予定)

何か方法はないか。また、頑張ってくれた特定の社員への支給という不平等な扱いは可能か。

【回答】
まず初めに賞与という事が頭をよぎりましたが、6ヶ月連続支給という点、永続的でなく今回だけの運用という点が気になりました。

就業規則の規定では「年次決算が経常黒字の場合には決算賞与を支給する」と規定有。今回の運用は今年の10月~3月までの6ヶ月のみ、さらに賃金規定に「臨時手当」(臨時に手当を支給することがある)という規定あり。

そこで先方には、下記のように回答と提案を行いました。

・特定の従業員のみに支給することに問題はない。
・一方で賞与の支払い月に関しては決算賞与の規定しかなく、年2回○月と○月支給や、年4回以上の賞与支給、賞与支給月の明記はない。
・このことから支給したものが、行政に「賞与」と判断されるか、「報酬」と判断されるか微妙。私自身は、今回1回のみ単発の運用であることと、年4回以上の賞与支給の規定が無いことから「賞与」とされるリスクがゼロでは無いが「報酬」であると考えている。
・さらに、会社側も「報酬」であるという主張の根拠づくりのため、雇用契約書を再度まき直し、今回支給する手当の名称については「臨時手当」という
名称であると賞与を想起させる恐れがあるので、賞与を想起させない手当の名称での支給。支給により上がり月変になれば月変を通常に実行。
・また今回締結する雇用契約書の特記事項に「○○手当は10月支給給与から3月支給給与までの支給とする」という文言を入れるのはどうか

この提案に対して先方より、雇用契約書に明記したくない。雇用契約書に明記すると既得の権利と捉えられかねない。社内通達での発信にできないかという回答が来ました。

根拠文書としては雇用契約書の方が説得材料として通達文書より説得力があると考えましたが、先方が雇用契約書を嫌がっている点と社内通達文書でも行けなくはないかなと思い、社内通達文書でいくことにしました。

上記が一連のやり取りですが、私の不足点や工夫できた点等についてご指摘頂ければと思います。

◯菰田弁護士の回答

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