役員の1人が禁固以上の刑を受けたため、一般建設業許可の更新許可が取り消された

◯事案の概要

一般建設業許可を受けた会社が更新手続きをして許可を得たが、役員の1人が禁固以上の刑を受けたため、更新許可が取り消された

◯相談内容

建設業許可の取消と再申請について質問です。

一般建設業許可を受けた会社が更新手続きをし、許可されました。しかし役員(非常勤取締役)が更新手続き前に禁固以上の刑を受けていました。そのため、欠格事由に該当するとして、更新許可が取消となりました。

代表者としては、この役員を外したうえで、すぐにでも再申請をしたいと考えています。名目上の役員だったので、代表者も担当者もこのことは全く知らなかったそうです。

①この場合、そのままだと役所としては、「不正の手段により[第三条(建設業の許可)第一項]の許可([同条(建設業の許可)第三項]の許可の更新を含む。)を受けた場合」(建設業法29条1項5号)に該当するとして取消をしています。

そこで、欠格事由(第二十九条第一項第五号又は第六号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から五年を経過しない者)(同法8条2号)に該当し、再申請は認めません。

なので、再申請には事情を知らなかったので不正ではない、つまり取消事由が上記の建設業法29条1項5号ではなく、建設業法29条1項2号 「第八条(許可の基準2)第一号又は第七号から第十三号]まで([第十七条(準用規定)]において準用する場合を含む。)のいずれかに該当するに至つた場合」に該当することが重要かと思います。

この場合、審査請求するとして、取消処分自体は争わないにも関わらず、「不正の手段により」というケースではないから取消事由が違う旨を審査請求する、ということは可能という認識でよろしいのでしょうか。

②「不正の手段によ」ったのではない、つまり故意でないとの立証はかなり難しいのではないかと思います。

理由は以下の通りです。

1.申請者(建設業の許可を受けようとする者)には代取だけでなく、役員全員が含まれると解されていることから、今回も事件を起こした本人の故意がないことが必要
2.更新時には通常欠格事由がない旨の誓約書(都道府県により様式は異なる)を提出していて、これには代取が押印している
3.さらに更新時に出す許可申請者の住所、生年月日等に関する調書(省令様式第12号)というのがあり、賞罰欄に本人が「なし」と書いて押印している

※賞罰欄の空欄は通常不可

多分気軽に考えて形式的に作成したんだと思いますが、上記の点は審査請求や訴訟でも不利にはたらくと思いますが、反論の余地はあるのでしょうか。

正直、私は建設業許可の取消処分を争うのは非常に厳しく、建設業を続けたいのであれば、関係者を全部役員などから外したうえで、新規に法人を設立して建設業許可を取り直すしかないように思います。

◯菰田弁護士の回答

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