雇用調整助成金の生産指標の解釈について

◯事案の概要

雇用調整助成金の生産指標について、2018年に開業した会社などでは2019年の売上が低いところも多く、生産指標の要件をクリアできない。「売上(収入)÷ 労働者数」もしくは「売上(収入)÷ 総労働者時間」という解釈でもよいか

◯相談内容

雇用調整助成金の生産指標ですが、下記のルールで苦しんでいるお客さんが結構あります。

雇用調整助成金「支給要領」より
1109a 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う事業活動の縮小に係る特例(令和2年2月 14 日施行・令和2年2月 28 日改定・令和2年4月 10 日改定)

イ 生産量要件の特例

・なお、事業所を設置して1年に満たず、生産指標について前年同期と比較できない場合(令和2年4月10日)は、0301aイ(イ)a中「最近3か月間の月平均値が前年同期に比べ」を「最近1か月間の値が令和元年 12 月に比べ」に読み替えて支給対象事業主とすることができるものとし、事業所設置後 1 年未満の事業主は、0402a ロについて、設置後から令和元年 12 月までの月次の実績等から年換算による算定をできるものとする。

2018年に開業した会社を例にすると、

2019年前半:まだまだ売上が少ない
2019年後半:今と同じくらいの売上になった

というところが結構あります。となると、雇調金の原則ルールである「前年同月比較」で見ると、生産指標要件をクリアできません。1年前と比較すると売上は増えているからです。

2019年12月との比較ならクリアできますが、それも「事業所を設置して1年に満たず」が邪魔をしています。今後、この要件緩和がされる可能性があるようですが。

【 質問 】
雇用調整助成金「支給要領」0603a 生産指標の確認では、

事業主が生産指標として届け出てきた数値が指標として適当であるか否かは、この要件の目的が生産指標の減少をもって(事業活動の縮小を余儀なくされ)雇用調整を実施せざるを得ないことを推定するものであることから雇用量の変動との相関がより高い指標であるか否か、かつ、多種多様な事業活動を一元的に示す指標として適切であるか否かをもって判断すること。したがって、生産物品の生産量、販売物品の販売量又は売上高を用いることを原則とする。しかし、生産量、販売量又は売上高によることが不適切又は困難であると認められる場合には、それぞれの事情に応じて最適と認められる指標を用いても差し支えない。(0301a イ(イ)a関係)

とあります。「それぞれの事情に応じて最適と認められる指標を用いても差し支えない」ということなら、

・「売上(収入)÷ 労働者数」
・「売上(収入)÷ 総労働者時間」

も可能という解釈でいいでしょうか?

誰に聞いても「可能だとは思う」とは言われるものの、厚労省から正式な見解が出ず、クライアントに確定情報として伝えられません。助成金が使えるかどうかは死活問題です。

コールセンターは素人だらけで深い質問はできず、労働局は電話がつながらずです。

また、社労士会、弁護士会を通じてかは分からないですが、厚生労働省に生産指標要件をなくしてもらえるよう、菰田先生からも働きかけをお願いできないでしょうか?

◯菰田弁護士の回答

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