◯事案の概要

会員制の求人広告のウェブサービスを行うA社では、会員登録をしていないユーザーからの個人情報も募集会社に提供したいと考えている。A社が個人情報を取得しない状態でユーザーの個人情報を求人情報掲載会社に伝えることは、個人情報保護法に違反していないか

◯相談内容

個人情報保護法について相談させてください。

A社は、求人広告を掲載するウェブサイトを作成中です。会員登録したユーザーは、ウェブサービス上に掲載中の募集会社に面接を申し込めます。申込時には、面接希望者の個人情報が募集会社にメールで送られます。

このメールの送信で個人情報が募集会社の手に渡ることは、利用規約でユーザーの同意があることを条件としています。

ここまでは問題ないと考えていたのですが、A社から「会員登録をしていない未登録のユーザについてもウェブサービス上から面接を申し込めるようにできないか」という相談を受けました。プライバシーポリシーの掲載と、「個人情報が掲載会社に提供されます」という表示をするということです。

会員登録をしていないユーザーなので、A社は個人情報を取得せず、未登録のユーザーがウェブサービス上のフォームに入力した情報を送信するのみということです。

A社が個人情報を取得しない状態でユーザーの個人情報を求人情報掲載会社に伝えることは、個人情報保護法に違反していないか判断に迷うので相談させてください。

ウェブサービス上で個人情報について第三者提供するとなると、個人情報保護法23条、25条にある通り、ユーザーからの同意とA社での記録が必要です。

しかし、A社が個人情報を取得しない状態で、ユーザーが独自の判断で個人情報を求人情報掲載会社に伝えているので、A社がウェブサービス上でメール送信フォームの提供をしているのみとも考えられます。

A社が個人情報を取得していなければ個人情報の第三者提供にあたらないと判断しますが、はたしてその考え方であっていますでしょうか？

◯菰田弁護士の回答