内容を全く理解していない上でなされた署名・捺印の有効性
◯事案の概要
会社の債務について、内容を理解していない個人が連帯保証に関する念書に署名、捺印をしてしまった
◯相談内容
会社が請負代金の支払い債務があり、支払いが遅れている状況で、債権者との業務のやり取りをしていた個人Aが、内容をまったく理解しないまま「念書」に署名、捺印をしました。
債権者の説明では念書という言い方をしているが、文書には、「債務承認・弁済契約書」と記載してあります。Aが、当該書面に自署、捺印をしてはいるが、文書の内容、連帯保証の意味をまったく理解しておらず、ただ言われるままに署名をしたという状況です。
内容を理解していないということで、連帯保証が無効であるということもありうるのかも知れませんが、冷静になって文面を読むと、「支払い債務を認める」「債務を連帯保証する」と明確に記載があることから、現実には無効主張はできないと考えます。
結論として本人が署名している以上、理解して署名をしたという強い推認が働き、連帯保証債務を受け入れるしかないという回答になりますでしょうか。
本人の話を聞くと、「念書」ってなんですかというところから始まるので、保証というところもまったく理解していないようです。何かできることがあればと思い検討している所です。