未払の残業代について労基署に申告されるリスク対策をしておきたい
◯事案の概要
固定残業手当について不満をもつ従業員が労基署に申告して、労基署の調査があった場合、さかのぼって残業代を支給するよう言われるリスクを回避したい
◯相談内容
残業代リスクを抱えているクライアントがあります。現状は下記の通りです。
- 正社員は固定残業手当を支給。超過残業手当は支給していない
- 年収で見ると業界の相場より少し高いくらいだが、残業代が法定通り支給されていないことに不満を持つ従業員も一部いる
この状況が数年続いています。固定残業手当について不満をもつ従業員が労基署に申告して、労基署の調査があった場合、さかのぼって残業代を支給するよう言われるリスクを心配しています。おそらく2年分だと数百万円になります。
その対策として、案を3つ考えました。
- 賞与の明細(給与明細)に「直近●ヶ月分の残業代も含む」という文言を入れる
- 労働条件通知書に「超過残業代については、賞与等で、数カ月分をまとめて支給する」と記載する事
- たとえば「基本給30万円、固定残業手当2万円」のところを「基本給22万円、固定残業手当10万円」にする(残業単価が減り、固定残業手当が想定する労働時間も増える)。不利益変更となるので、労働者の同意が必要かなと思います。ただ、減額する合理的な理由がないので、難しいとも思っています。
1と2の合わせ技で進めるのが無難だと考えていますが、先生のお考えを聞かせていただけますか?