介護施設の面談を拒否する職員への対応について

◯事案の概要

社内からも社外からもクレームが来る職員に対して面談を要求したが、面談を避け続けて欠勤している。できれば退職してほしいと考えているが、どのように対応するのが適切か

◯相談内容

適切な介助をしない等で利用者からのクレームや職場内でのトラブルを起こしている職員がいます。施設長や上司が注意・指導をしても改善されず、このたび面談を申し入れたところ、面談を避け続け、現在は欠勤を続けています。

本人から、「不安うつ状態、加療が必要、職場での人間関係のストレスが原因で悪化。職場での人間関係が必要」と記載してある診断書が届きました(就労不能の記載はありません)。

法人から電話をしても、本人は出ないため、今回、このまま面談を拒否する場合は、業務命令違反に該当し、就業規則に基づき懲戒処分となるという内容の書面を送付しました。それに対して先方より回答がありました。

  • 業務命令違反ではない
  • 懲戒処分は法人の見解か?
  • 心療内科の医師より、通常の仕事であれば問題ないが生活に係る話し合いは辞退しなさいと指示あり

法人としては、最終的には解雇も視野に入れており、金銭を支払ってでも辞めてもらいたい意向です。本件について過去に労基署に相談に行ったことがあり、担当官には「繰り返しの面談拒否は業務命令違反になる可能性が高い」と言われたそうです。

そのため、今回も労基署に行き、再度「業務命令違反に該当する(可能性が高い)」ことのお墨付きをもらってくるよう伝えました。同時に業務による心理的負荷評価表の業務部分を確認してもらい、労災の可否を確認してもらいます。
労災の可能性が低いという確認が取れた前提で、この先の対応を以下のように考えています。

  • 有休の残日数があるため、有休がなくなるまで消化を認める
  • 職場復帰をする際には面談が必須であることは譲らない。面談をせず無理やり職場復帰をしようとした場合は、業務命令違反を通告し、面談の実施か就労禁止を通告する
  • それでも面談を拒否する場合は、解雇を通告

解雇を通告したことで、本人が主治医に労災を主張し、解雇無効で争ってくる可能性もゼロではないと考えています。ただ、経済的な理由から裁判は可能性が低く、また、今までのクレーム・指導・面談拒否などの実績で全面的に先方の主張が認められる可能性は低いと考えています。この先の対応について菰田先生ならどうされますか?

◯菰田弁護士の回答

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について