連帯債務を相続する場合の抵当権登記方法について

◯事案の概要

被相続人AがBと連帯して負っている連帯債務をC、D、Eが相続する。この場合、①B、D、E、がAから相続した債務をCが免責的に債務引受を行うパターンと②D、EがAから相続した債務について、Cが免責的に債務引受を行うパターンがあり、どちらを選ぶかは債権者の判断となるが、連帯債務者がBとCであることに変わりはない。とすれば、この違いはあくまで公示(登記)上の問題に過ぎないと考えてよいか

◯相談内容

現在、抵当権の連帯債務者として、AとBの夫婦が登記されています。Aが死亡して、相続人はBとC・D・Eになります。

このとき、抵当権者(銀行)の依頼で、まず、連帯債務者Aの相続による債務者の変更登記を行います。Aの連帯債務を相続した連帯債務者として、B、C、D、Eを新たに登記するので、元々の連帯債務者たるB、Aの連帯債務を相続したB、C、D、Eが連帯債務者として登記簿に記載されます。

この後、免責的債務引受により、最終的にBとCを連帯債務者として登記したいというのが抵当権者の要請です。その要請を満たすための登記の方法としては2パターンがあります。

  1. B、D、E、がAから相続した債務をCが免責的に債務引受を行うパターン
    連帯債務者としては、Aの相続債務を引き継いだCと、元々の連帯債務者であるBが登記されます。
  2. D、EがAから相続した債務について、Cが免責的に債務引受を行うパターン
    連帯債務者としては、Aの相続債務を引き継いだB・Cと、元々の連帯債務者であるBが登記されます。
    ※Bは別の立場で2重に連帯債務者として登記されることとなります。

1,2いずれの方法で登記を行うかは銀行の判断になりますが、実質的には、1でも2でも連帯債務者がBとCであることには変わりないので、1と2はあくまで公示(登記)上の問題に過ぎないと考えていますが、いかがでしょうか。

Bは全ての債務について連帯債務を追っているので、Aから相続した債務について連帯債務となろうがなるまいが関係ないと考えました。

私の方でも調べてみたところ、元々の連帯債務と、相続承継した連帯債務の内容が異なることもあるようです。(例えば、相続承継したAの連帯債務に同時履行の抗弁権が付着している場合)

なので、元々の連帯債務と相続承継した連帯債務について、Bが併有するかどうかについて、銀行に決定してもらわないといけませんね。この場合、併有させることの銀行にとってのメリットはありますでしょうか。

例えば、上記の例のように相続承継した連帯債務に同時履行の抗弁権がついている場合、Bが相続債務を承継していれば、Bも同時履行の抗弁権を主張できるので、銀行に不利だと思います。

こちらでメリットやデメリットを案内して、判断してもらおうと思います。

それから、ある書籍に相続承継した連帯債務に同時履行の抗弁権が付着している場合との記載があったのですが、具体的にはどのようなケースを想定しているのでしょうか・・?

◯菰田弁護士の回答

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