違法行為を容認するよう求めてくるクライアントへの対応
◯事案の概要
違法行為(36協定の範囲を超える長時間労働や労災の不使用)を容認して欲しいとするクライアントの対応に困っている派遣会社がある。派遣会社自体も創業したばかりで立場が弱い
◯相談内容
派遣会社の社長から以下の相談を受けました。ほとんどの派遣会社が、取引先(派遣先の会社)との関連で、違法状態を強いられているそうです。大企業と取引する場合はコンプライアンスが厳しいので問題ないのですが、中小企業相手だと以下のような状況だそうです。
- 派遣先の会社から、派遣労働者に対し長時間労働を強いられる。社長自身は適正な労働時間で働かせたいと考えていて、36協定の範囲を超えないようにしたいが、それを提言すると、「あなたのところは使いづらい」と言われ、派遣労働者を受け入れてもらえなくなる。
- 派遣している労働者が業務中にけがをしたので労災申請しようとすると、派遣先から迷惑だと言われ止められた。
それでは労災申請しないのでせめて治療費は支払ってほしいとお願いすると、「労働者が手順を守らなかったのが悪い」と支払いを拒まれた。 - ある会社に営業に行ったときに、まず「法律を破れるかどうか」を聞かれた。具体的には長時間労働を強いるので、それに対応できるかどうか、36協定の規定は関係ない。できないのであれば、仕事は頼めないということだった。
この会社は事業を開始したばかりなので、契約を取らないといけないため、立場が弱く、相手になかなか強くは言えません。どうしたらよいかという相談を受けました。
私としては、
- しっかりと法律を守る会社になって、労働者が集まりやすくし、他の派遣会社との差別化を図る
- 派遣先の言うとおりに、違法状態に目をつぶる
という2つの選択肢かなと考えました。
できれば前者でいきたいのですが、そうすると経営が成り立たなくなることが予想されます。しばらく後者で行って、取引先が増えてきたら前者に切り替える、ということにするしかないのでしょうか。
案が浮かばず、申し訳ありませんが、アドバイス頂ければありがたく思います。
よろしくお願いいたします。