代休未取得・賃金未払いの精算に関する法的リスク
◯事案の概要
M&A後に親会社から来た新社長が、過去2年分の代休未取得・賃金未払いの精算を行うことを決めた。ただ、社員の中には10年以上の代休未取得・賃金未払いが発生している人もいる。この精算にあたって法的リスクにはどのようなものがあるか
◯相談内容
ある会社では、休日出勤して振替休日や代休がとれなかった分について、「いつか代休を取得できるときに取得してください」と、そのまま(代休未取得&賃金未払い)にしています。人によっては10年以上その状態が続いている人もおり、多い人で150日分くらい未取得の代休が溜まっている状態です。
先日、M&Aにて親会社から来た新社長が、その状態を放置することはリスクが高いと判断し、過去に遡って未払い賃金を精算する決断をされました。
ただ、賃金債権の発生する直近2年分の休日出勤に対して精算することになりそうです。厳密に計算すると遅延利息なども発生するかと思いますが、とりあえず利息は無しで、休日出勤の割増(2割5分増しあるいは3割5分増し)はつけて計算する予定です。
社員には個別に計算根拠をつけて説明しますし、新社長も社員に謝罪する、と言っています。そして、今後は労基法に基づいた正しい運用をしていく予定です。
さて、ここからがご相談です。
①上記の未払い賃金の精算方法にリスクはあるか?
上記の通り、遅延利息は支払いませんし、時効の計算も完璧ではないと思います。10年以上も放置されてきた人にとっては、2年以上は支払ってもらえないということでもあります。
今までも特に不満を表立って言われたこともないことから、社員の皆さんには納得いただけるのでは?と思っていますが、万一、法的に訴えられる残存リスクがあれば把握はしておき、社長には説明をしておきたいと思います。
②社員から「同意書」は取得しておくべきか?
2年分の未払い賃金の計算根拠について説明を受け、賃金を受け取った旨の「同意書」のようなものは取得しておくべきでしょうか?同意書を取得することは、法的に何らかの意味をなすでしょうか?
また取得する場合に、留意すべきことがあれば教えてください。
