県営住宅の連帯保証人には入居者の残置物の処理をする権限があるか

◯事案の概要

県営住宅に入居する夫婦の連帯保証人となったが、夫婦が離婚し、夫が失踪した。滞納家賃については連帯保証人として弁済するつもりだが、残置物の処分も県から求められている。残置物の処分についてはどのように対応すれば良いか

◯相談内容

相談者A(男、妻は外国人B)は、日本人C(男、妻は外国人D)が県営住宅に入居する際、連帯保証人となりました。妻同士が外国人という関係でDからBへ連帯保証人の依頼があり、Aが承諾しました。その後、CとDは離婚。Cが引き続き県営住宅に住んでいましたが、滞納家賃44万円を残して失踪、県からAに支払い要請が来ました。

Aは滞納家賃分については支払うつもりですが、部屋の中に残っているものや駐車場に残ったままの車などの残置物の処分も県から求められており、対応に苦慮しています。実際にどのように処分すればよいのか(自分の権限で処分できるのか)、また処分した後にCからクレームが来ないような事前準備が何かできるか、という点が悩んでおられる点です。

Cはどこにいるか全く不明なのですが、DはAB夫婦の比較的近くに住んでおり、スーパなどで出会うこともあるようです。もちろんCの居場所について聞いても「わからない」と一点張りです。なお、DにはCとの子である思われるEがいます。

そこで質問なのですが、
①連帯保証人としてどこまで処分していいのでしょうか。残置物を処分する権限は保証人にあるのでしょうか?

私は、保証人には明渡時の原状回復義務があると考えるなら、残置物の処分権限もあると考えます。ですが、実際に他人名義の車をどう処分すればいいのかが分かりません。

②失踪した人と連絡を取る方法はあるか?
この点については、Cの住民票、戸籍の附票で、現住所を追っていく方法を考えています。(連帯保証人と主債務者の関係であり、債権者から連帯保証債務の履行を求められている立場なので、利害関係ありとして、開示を受けられる可能性が高いと思われます)

ただ、このような人の場合、住所の登録など随時していない可能性が高く判明しない確率が高いと思われます。そのような場合、判明している携帯電話番号等をもって、弁護士会照会制度や調査事務所などで調査することも可能ですが、弁護士会照会制度を利用するためには、弁護士に対して具体的に事件として委任することが前提となり、対応分が44万であることを考えると費用倒れになってしまう可能性が高いとも考えます。

③連絡を取る努力をどの程度まですればよいか(4との兼ね合いで)
この点については、②にあげたような努力をすれば、また考えられる親族等に連絡を取り探す努力をしたのであれば、それでよいのではないかと考えます。

④あとで「自分の貴重品を勝手に処分した」と主張されないために何かできることはあるか?
保証人のするべきことをしただけなので、文句を言われる筋合いはないと毅然と対応することがベストかと思います。

◯菰田弁護士の回答

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