意識不明の労働者の傷病手当金の振込先について

◯事案の概要

仕事中に脳溢血で倒れ、現在は意識不明の状態が続いている。傷病手当金について、親族が自分に振り込んでほしいと求めてきている

◯相談内容

仕事中に脳溢血で倒れ、現在は意識不明な状態の方がいます。労災の休業補償に関して監督署に確認したところ、死亡していない限りは本人にしか振り込めないということなので、本人の口座に振り込むように手続きをして貰おうと思います。

ただ、この方の場合、労災に認定される可能性が低いかもしれないということで、傷病手当金の申請も同時に行います。

傷病手当金に関して調べたところ、代理人が受け取ることも可能です。健康保険協会に問合せしたところ、その方が死亡していなくても代理人に振り込むことは可能だということです。

倒れた方は女性で、離婚済みのため、親族が2人、自分の所に振り込んで欲しいと言ってきています。2人に分けて振り込むことはできないと思うので、どちらかに振り込むことになるかと思います。

倒れた方の意識不明の状態がいつまで続くかは分かりません。なお、この倒れた方には別居中のお子さんがいます。親が健在かどうかは現在のところ不明です。

ここで質問したいのが以下の2点です。

①傷病手当金は賃金ではないと思いますが、賃金的な性格が強いと思います。

賃金支払いの5原則から考えると、本人に振り込むように手続きをしないと後ほど倒れた方から訴えられたりするリスクはないでしょうか?

ただ、意識不明な状態ですと意思を確認できませんし、親族が倒れた方の医療費などを補助するとなると、彼らに振り込むことも必要かと思います。

ただ、万が一ですが、その親族が自分の遊興費などに使ってしまった場合のリスクです。この辺りについてご意見をお願い致します。

②倒れた方は亡くなられていませんが、例えば民法では死亡退職金の受け取り順位は、第1順位が子ども、第2順位が両親、第3順位は兄弟姉妹だと思います。今のところ会社に連絡をくれるのは第3順位の2人です。

相手方が親やお子さんと話し合いを持っているのか?を確認した方が良いかと思います。この点について確認してもらうようにアドバイスを行いました。

死亡退職金の優先順位と今回のケースについてご意見を頂ければと思います。

最終的にはこの申請を行った後に家族間で起こったトラブルについては会社は一切の責任を負わないという合意書を取るつもりですが、私が気付いていないリスクも含めてご意見を頂ければと思います。

◯菰田弁護士の回答

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