労組との団体交渉による「休日の新規急患入院受入れを2人に制限」を撤廃・緩和することは団体交渉事項にあたるか
◯事案の概要
「休日の新規急患入院受入れを2人に制限」を撤廃ないし緩和するという経営上の施策の変更は団体交渉事項にあたるか
◯相談内容
総合病院で看護師の労組との過去の団体交渉の経緯から、休日の新規急患入院受入れを2人に制限するという暗黙のルールが成立している法人があります。
この度のコロナ禍の影響により病院収益が悪化し、休日であっても新規受け入れの枠を増やしたいという意向があります。
過去の経緯として、団交事項として取り上げられていた事実はあるものの、新規受け入れ人数の増加により労働条件は変化せず、時間外労働は若干増える可能性があり、かつ休日の人員数に比して労働密度が濃くなることはあり得る程度です。
従業員の待遇ないし労働条件に密接に関連性を有する事項は団交の対象となりえるとの高裁判例もありますが、本件の「休日の新規急患入院受入れを2人に制限」を撤廃ないし緩和するという経営上の施策の変更は、団体交渉事項にあたるでしょうか。