特定の株主から自己株式を有償取得する際の規定について

◯事案の概要

特定の株主から自己株式を有償取得する際の規定について相談したい

◯相談内容

特定の株主から自己株式を有償取得する際の規定(会社法第156条第1項)に関してご相談させてください。

特定の株主のみから自己株式を取得する場合には、特定の株主に自分も加えたものを株主総会の議案とすることを請求できるとあります。(会社法160条第3項)

例えば、会社が株主Aからその保有株式を有償で取得しようとしており、他の株主に160条2項の通知を送ったところ、株主B、Cから売渡請求が出された場合には、株主総会において決議する事項としては、以下の内容になるかと思います。(156条第1項、160条第1項)

  • 取得する株式の総数(最大何株取得できるか)
  • 取得価額の総額(最高でいくらまで支払ってよいか)
  • 取得期間(最大1年間)
  • A、B、Cのみを取得の対象とする。

現実には、その後に開催される取締役会において、上記株主総会で決定した取得枠の範囲内で、以下の具体的な内容を決定することになります。(157条第1項)

これらはA、B、Cについて各別に承認決議をとるのではなく、(第1号議案Aについて、第2号議案Bについて、第3号議案Cについてのような個別承認ではなく)、ABCの1株当たりの買取金額は平等に扱わなければならず(157条第3項参照)、基本的に同一議案で承認決議を行うものと思われます。

条文の理解としては上記のとおりでよろしいでしょうか?

質問の趣旨としては、取締役会でA、B、Cの買取価格を恣意的に異なる金額にしてはならないし、Aからのみ買取りを行い、BCからは買取をしないというような決定はできないのではないかということです。

※157条第3項の規定を鑑みれば条件は均等に定めなければならないとあり、個別に決議が可能だとすれば、他の株主の売渡請求の規定が意味のない規定になってしまうと考えられます。

◯菰田弁護士の回答

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