後見申立を行いたいが、家族の経済事情があまり良くない

◯事案の概要

特別養護老人ホームに入所している女性のご家族に生活保護受給者が複数おり、後見申立に家族が関わることに不安がある。後見の本人申立を行う予定だが、ほかに適当な方法があるか

◯相談内容

  • 特養に入所している女性:X
  • Xの息子:A(すでに離婚しており独身、生活保護受給中)
  • Aの息子:B(Xの孫、生活保護受給中)

Xが入所している特別養護老人ホーム(以下「特養」)からの相談です。

これまでXの施設利用等の支払いは、AがXの年金等から支払っていました。しかし、最近3か月の滞納があったため特養が確認してみると、Aが脳梗塞で入院していることがわかりました。今後Xの財産管理は難しい状況です。

身近にA以外にXの家族や親族はおらず、特養側もその他の親族を把握できていなかったため、後見の市長申立を行いました。その親族調査の過程でA県にBがいることが分かり、市から特養に「Bと連絡を取るように」との連絡がありました。

特養がBに連絡を取ったところ、後見申立てと後見人就任に前向きであることが分かりました。しかし何度か話をしているうちに、Bも生活保護を受給していること、Xの軍人恩給について盛んに聞いてくることなどから、特養としてはBが後見人になることには相当の不安があるようです。(Bの使い込み等の心配)

現在Aの了承を得て、Xの通帳や印鑑等は一時的に特養が管理しています。しかしこの状況を長く続けるわけにはいかないため、Xに後見人を早く就けたいと考えています。しかし、Bが申立人のみ引き受けて、後見人は専門職が就くとなった場合に、申立人になることを拒否される可能性があります。

そこで今回は、何か効果的な方法がないかという相談です。市長申立もこれまでかなり時間がかかっており、Bが出てきたことで今後時間がかかることも予想されます。Bが住んでいる場所は遠いため、物理的な距離も障害となっています。

私からは以下の提案を行おうと考えています。

①Aの判断能力が問題ないならAに申立人となってもらい、弁護士と委任契約を結び後見申立を行う(Aは後見申立に比較的前向きの様子)

②Xの判断能力が良好な時に弁護士と委任契約を結び、本人申立で後見申立を行う
私が後見人候補者になるかどうかは未定です。この方法を使う場合には、上記の背景を説明した文面を添付して申し立てることで家裁の理解は得られるのではないかと考えています。

上記2つの方法のリスクやメリット、またそれ以外の方法の有無についてアドバイスお願いいたします。

◯菰田弁護士の回答

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