労基法第41条第2号の「管理監督者」について

◯事案の概要

60歳超の管理監督者扱いの嘱託社員が、同一の業務内容で週勤務日数を減らし業務をする予定となっているが、フル勤務でないのに管理監督者扱いとしてよいか

◯相談内容

60歳超の管理監督者扱いの嘱託社員が、以下の通り【同一の業務内容で】週勤務日数を減らし業務をする予定です。

<現行> 週5日勤務(通常正社員と同様)
       ↓
<改定後>週4日or週3日勤務

[対象者の属性と状況]
・3月31日で現嘱託契約期間満了
・週勤務日数の減少は本人の希望
・会社としては4月1日から上記勤務日数で雇用契約締結予定
・給与は現給与を週4日なら4/5、週3日から3/5とする予定。

*会社としては、業務内容が同様であることから、【管理監督者扱い】としたく考えております。私見として、フル勤務でないのに管理監督者扱いとするのがいかがかと考え、お伺いする次第です。

嘱託社員であろうが、パート社員であろうが、契約社員であっても管理監督者になる事については法令上直接の制限はない以上、誰を管理監督者として取り扱うかは会社が決めていくことであるのが大前提。

ただし、以下の労働法コンメンタールにおける「監督若しくは管理者」の考え方に基づき最終的に判断をする。

なお、管理監督者という責任の重い職位に就かれる方社員の週の勤務日数が4日、3日と少なくなる場合、その社員が管理監督者の職責をきちんと果たす事ができるのかという現実問題を考えた上で、最終的に判断をするが、会社として管理監督者として取り扱うのであれば、本人との合意書なり、覚書なり「管理監督者であること」を双方で確認をした文書を残す対応が必要。

(※とはいえ、当該社員が退職した後、訴えに出られたときに100%負けないという断定・断言はできない点を顧問先にはしっかりと伝えて理解を得ておく)

労働法コンメンタールにおける「監督若しくは管理者」の考え方・・・

「監督若しくは管理者」とは、一般的には部長、工場長等労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある者の意であり、名称にとらわれず実態に即して判別すべきものであり、具体的判断に当たっての考え方を要約すると次の通りとなる」とされており、会社において「監督若しくは管理者」の適用者については、次の①から⑤までの要素から考えて「監督若しくは管理者」として十分に肯定できるものかを考える。

<具体的判断にあたっての考え方>
①企業が任命する職制上の役職者がすべて「監督若しくは管理者」に該当するものではない。

②労働時間、休憩、休日等に関する規制の枠を超えて活動することが要請されざるを得ない、重要な職務と責任を有し、現実の勤務態様も、労働時間等の規制になじまないような立場にある者に限って適用除外が認められる。

③人事管理のための資格、職位等にとらわれず、職務内容、責任と権限、勤務態様に着目して判断される。

④基本給、役付手当等において、その地位に相応しい待遇がなされているか、一時金の支給率、算定基礎賃金等についても、一般労働者に比して優遇処置が講じられているか等を考慮する。

⑤本社の企画、調査部門等の配置されるスタッフ職は、処遇の程度によっては、「監督若しくは管理者」に含まれる。なお、世間でよく言われる「出社退社等について厳格な制限を受けない」という要件については、以前は基本通達にあったものの、昭和63年に基本通達から削除されているところでありますので、当該要件は考慮しない。

また、取締役以外の労働者については、たとえ「監督若しくは管理者」であったとしても勤怠システムにより出社・退社の時刻の記録をつけているが、これは「監督若しくは管理者」であっても、過重労働による健康障害防止や深夜業に対する割増賃金の支払の観点から労働時間の把握や管理を行っているに過ぎない。

そのため、これらの視点から労働時間の把握や管理を受けている場合については「監督若しくは管理者性」が否定される要素にはならないものと考えている。

◯菰田弁護士の回答

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