精神疾患が発覚した場合の休職の適用日について

◯事案の概要

精神疾患が発覚した場合の休職の適用日について、客観的に精神疾患と判明した日にするべきか欠勤が生じた日から適用するべきなのか、判断に迷う

◯相談内容

精神疾患が発覚した場合の休職の適用日についてご相談です。

診断書等が提出されて客観的に精神疾患と判明した日にするべきか、その勤怠の乱れが生じた日あるいはその前ににおいて精神疾患が生じていたことは明らかであるので欠勤が生じた日から適用するべきなのか、判断に迷いがございます。

ままあるケースとして

1.勤怠が乱れる
2.健康に疑義が生じる
3.診断書が提出されるまで労務提供拒否
4.診断書が提出されて精神疾患が明らかになる
5.休職を通知

となるケースがあるかと思います。

となると、1-4までの期間が長いと、中には、労働者が意図的に診断書の提出を引き延ばそうと言う意図が内包していて、診断書の提出を遅々すると、結果的に労務提供免除期間が長くなることになります。

経営側視点では、5を通知してから契約上の休職スタートとなると、結果的に、解雇回避期間を長く取れることとなり、ある意味で、回復機会の付与が過大になるとも考えております。(訴訟になれば、実際に休んでいる期間も考慮される可能性はあるのでしょうが)

経営視点では、できれば1に近いタイミングで休職適用をさせたいと考えるのが普通かと思いますが、どの時点からが妥当でしょうか。

言うまでもなく、適用日によって、訴訟になったときに休職適用自体を否定されることが懸念と考えております。

① 労務提供を拒否した初日に遡及
② 医師の診断を受けた初日に遡及
③ 診断日に遡及
④ 診断書が提出された日に遡及
⑤ 遡及はできず実際に通知された日

就業規則の規定上、通常は「事由に該当-命じる」となっているので、顕在化→命じてから休職と解されるのが通常なので、当然⑤が安全策なのでしょうが、①から④の余地がないがご意見いただきたく存じます。

また①-④の間から休職を適用することに、当該労働者と事前に同意していた場合についてもお伺いしたく存じます。

◯菰田弁護士の回答

休職制度は法律上の制度ではないので、就業規則の定め方次第ですね。(もちろん、合理性のない定め方をしてしまえば、その条文自体が無効と判断される可能性があるので、それは論外ですが)

ですので、「欠勤が3ヶ月以内に通算30日労働日以上となったとき」とか「その他会社が必要と認めたとき」とかって定め方でしょうから、実際にこの要件を満たしたタイミングになります。この要件とは関係なく遡及させることは条文上無理があるでしょうね。

条文上の要件が事実として発生したタイミングなので、遡及して事実が発生するわけではありませんから、事実が判明した日しか無理があるかと思います。

①-④の間から休職を適用することに、当該労働者と事前に同意していた場合・・・

従業員本人との合意で休職スタートさせることは、就業規則で定めれば認められるでしょうが、遡及させるのは難しいでしょうね。