認知症の疑いのあるクライアントの遺言について
◯事案の概要
10年ほど前に公正証書遺言を作成している遺言者が、法定相続人との関係が悪くなってしまったことから、前回の遺言内容を破棄して新しく公正証書遺言を作成したいと考えている。ただ、遺言者に認知症の疑いがあり、関係悪化の事実について真偽も不明である
◯相談内容
認知症の疑いのあるクライアントの遺言についてご相談させてください。
甲は10年ほど前に公正証書遺言を作成しています。当該遺言の内容は、全ての遺産を換価処分して法定相続人である兄弟に法定相続分に応じて金銭を分配するという内容でした。
当該公正証書遺言における遺言執行者は当方となっております。
最近になって甲と甲の兄であるAとの関係が悪くなり、甲は当方に『Aには自身の遺産を相続させたくない』ということを口にしております。Aの甥が甲の金銭を盗んだという疑念を甲が持つようになったことが原因です。
しかしながら、Aの甥が甲の金銭を盗んだという証拠はなく、実際にかつて甲が自身で金銭をおろしたことを忘れているような事象もあり、当方としてもどこまで甲の言うことを信じてよいのか分からない部分があります。
また、A以外の兄弟は、Aの甥が甲の金銭を盗んだと断定しているところもあり、甲が他の兄弟の意見から影響を受けていないかという部分を注意して話を聞いているところです。
当方が何度か話をする中で甲がAに遺産を渡したくないということは、ハッキリと言っているので新しく公正証書遺言を作成(前回の遺言内容を破棄)したいと考えています。
主治医に診断書を書いてもらうと万が一裁判になった際の予防策になると思うのですが、民法973条第2項の規定は成年被後見人の遺言であるためそのまま適用することはできません。
判断能力が低下している(アルツハイマー等の病名はついておらず、日常会話もできるレべル)方の公正証書遺言をサポートするにあたり、主治医に診断書を書いてもらうということはよくあることなのでしょうか?
また、ほかに何かよいアイディアがあれば教えていただきたく存じます。
ちなみに当方が任意後見人候補者となっており、現在は当方で任意代理人として財産管理を行っておりますが、今後の様子を見て任意後見の申し立ても検討しております。
