スクール生の受講費用サポートとして有期雇用を行いたい

◯事案の概要

エステティックサロンが開催するライセンス取得のためのスクール事業において、受講生の費用負担軽減と、将来の雇い入れ準備のために当該スクール受講者を、スクールと平行して勤務させた場合の適法性について

◯相談内容

1.一般顧客への施術(事業①)に加え、スクール生を募り有料で資格取得のためのスクールを開講(事業②)する個人事業のエステティックサロンからの相談です。

当該スクールの受講費用についてスクール受講生の負担が大きいため、救済策として、当該スクール開講期間に、有期雇用(開講期間と同じ期間)のパートタイマーとして雇い入れを行い、賃金を支払うことで受講料と賃金を相殺し、実質的な支払いを半額程度に抑える方法を思いつかれました。

また、将来的に、使える人材であればその後正式な雇い入れをする意図もあります。

2.以下、判断の参考にした事情です。
・スクールは協会認定の資格となっており、一定時間の座学や訓練をすることで単位が取得でき、その後認定試験に合格することで資格が取得できます。

・受講はスクール生の生活スタイルに合わせることができ、経営者が直接指導します。

・事業①と事業②は同じ店舗内で行いますが、別の部屋で行います。(空間は同じですが、壁で仕切ってある作りです。)

3.具体的な案と相談
このようなやり方が労働関係法令に抵触しないかという相談を頂いたので、私が聞き取りをした上で、現状以下の結論が出ています。以下の取り扱いに問題はありませんでしょうか?

① 賃金全額払いの原則に抵触しないよう、相殺はせず、賃金は全額を振り込み、別日にスクール受講費用を口座から引き落とす。
② 労働とスクールの訓練等の時間を明確に分ける
③ 内定中の入社前訓練にならないよう、有期雇用労働者として労働契約を締結する。また、労働条件通知書には訓練に関して一切記載しない
④ 出勤簿は労働時間のみを記入し、訓練等の時間が記載されないようにする
⑤ 訓練等に関しては訓練日誌で別に記録をする
⑥ 訓練中、座学の他に実技訓練も行うが、事業①の一般顧客に対して実技訓練をするのではなく、訓練生が独自に用意した親族等に対して施術を行い、訓練の結果としてお店側に施術売上が上がるような仕組みにはしない(一般顧客に対して、周知して無料で訓練に付き合ってもらう可能性はゼロではないが、どちらにしろ訓練なので、一般顧客に対して金銭請求はしない。)
⑦ スクール終了後、強制的に自社で働かせることはしない。
⑧ 採用の打診はするが、正規雇用として労働契約を締結するか否かは本人に選択権がある。

以上です。

私は以上①~⑧の条件を満たしていれば、訓練と労働が明確に分かれるため、違法性はないと考えています。

ただ、不安なのが③です。正規雇用ではないにしろ、訓練期間中に労働をすることになるため、民事訴訟を起こされた場合や行政調査において、【業務に付随する教育訓練】という捉え方をされると、訓練時間全てが賃金支払いの対象となってしまう恐れがあり不安です。

◯菰田弁護士の回答

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について