振替休日の次月繰り越しの適法性について・未手交の雇用契約について
◯事案の概要
1.フレックスタイム制(1ヶ月フレックス)を採用する顧問先から振替休日・代休を取得した場合の扱いは、割増賃金を含めた賃金支払いはどのような形になるのか
2.長期間正社員の雇用契約書を作成していなかった場合について
◯相談内容
労働時間・雇用契約についてご指導いただきたくメッセージさせていただきました。具体的には以下の2点です。
1.振替休日の次月繰り越しの適法性について
2.未手交の雇用契約について
1.振替休日と代休について
フレックスタイム制(1ヶ月フレックス)を採用する顧問先から振替休日・代休を取得した場合の扱いは、割増賃金を含めた賃金支払いはどのような形になるのかという相談を受けております。
①フレックス制であるかどうかを問わず、そもそも振替休日・代休を翌月(次給与計算期間)に持ち越すことはできるものでしょうか。
同社では、休日の振替または代休について、同月中(休日出勤した給与計算期間内)に取得できなかった場合は、割増賃金を支給をせずに翌月以降3ヶ月以内に取得できれば、相殺する形を取っています。
※法定休日であれば、時間単価×1.35×休出時間
法定外休日であれば、時間単価×1.25×休出時間
この賃金支払いが本来であれば、必要になるかと思いますが、当月を締めた時点でこれを支払わず、3ヶ月以内に休日を取得すれば相殺されるという形です。この扱いについて、労基法24条違反(全額払い違反?)ではないかと主張してきた社員が出てきて、現在話し合っている状況となります。
私の考えとして、この社員の主張自体は間違っておらず、基本的に休出が発生した場合については、振替であれ、代休であれ、行った休出について、当該月に取得できなかった場合は、計算期間を締めた時点で上記の計算式による支給を行っておくべきと考えおります。
整理しますと、振休の扱いについて、原則の労働時間による場合(1日8h、週40h)同一週内の振替であれば割増は発生しませんが、週を超えて振替えた場合、振替により休日が労働日となり、その週の労働時間が40h超となった場合は、割増が発生すると思います。
ちょっとややこしくなりますが、フレックス制でこれを考える場合については、同一月内においては、法定外休日(土曜日)出勤分は、普通残業と合わせて月の総労働時間として集計されるので、振替・代休の概念があったとしても、実質的に相殺されるような形になると思います。
また、法定休出については、普通残業とは別枠なので、行ったことにより、割増分(0.35)だけは発生する支払う必要があると思います。
問題は、月を超えて振休・代休を繰り越す場合です。振休の取得時期に法的な制限はないようですが、月を超えてしまうと、やはり、長期間未払い状態の賃金が生じることになり、問題であるように感じます。この点、監督署ベースでも微妙に食い違う説明をされ、私自身も混乱しております。
具体的に申しますと、C署では、月を超えた以上、本給と割増分を含めた支払いが必要であり、振休・代休を取得する月について、改めて、本給分・休んだ分の(1.0部分)を控除する形となる。
M署では、休日振替であるから、月を超えて労働日と休日の振替を行っているので、直ちに割増賃金を支払う必要はない。あとは、会社規程と運用でどこまできちんと管理されているかである。(管理されていなければ、当月で割増分を含めた支払いの必要がある?)
②振休(代休)について、当月消化ができない分を次月以降に持ち越すことができる場合について
①C署の説明によるやり方となる
②M署の説明によるやり方となる
③その他の計算になる
のいずれかになるかと思いますが、私自身は、①になるかと考えておりますが、問題ないでしょうか。
2.長期間にわたり、雇用契約書を手交していなかった場合の対応
長期間(創業以来?)正社員の雇用契約書を作成していなかった会社の相談を受けております。このような状態は当然法的に問題になるばかりでなく、労働条件を巡りトラブルになる可能性が高いので、是正する必要があります。
しかし、長期間勤続している社員も少なからずいることから、現在の労働条件をまとめた「確認書」を作成し、そこに各種労働条件を記載したものを手交することを考えております。イメージとしては、雇用契約書のタイトルを雇用条件確認書とするような感じです。
それとも、契約期間を対象者の入社日から無期契約として、他の条件は、現在の各種労働条件を記載する雇用契約書とした方がよろしいでしょうか。
