退職勧奨後に社員の不正が発覚した場合の解雇事由について
◯事案の概要
入社以来問題のあったTという社員に対して退職勧奨。しかしTは指摘された問題はないと発言。さらに、業務に関して不正を行っていた。
◯相談内容
解雇に関する事案についてご相談がございます。問題となる職員は常勤の男性(以下「T」という)です。
入社以来、Tと他事業の職員とのトラブルが頻発、所属している部署の管理者とも折り合いが悪い。すぐにかっとなり、口調も強いため、関わりたくないという職員が多い。
指導という改まったものではないが、事あるごとに注意や改善してもらいたいことは管理者等から伝えてきた経緯があり、責任者は諸事情を考慮してTの配置転換を検討。最終的な結果として、Tの考え方や行動が当事業所に悪影響を及ぼしていると判断し、A月24日退職勧奨を行った。
A月30日、私がTとの面談を行ったところ、Tは「管理者と折り合いは悪くないし、他部署の職員とも仲良くしている」と発言。Tは、自身がなぜ解雇を申し渡されなければならないのかが理解できていない様子。
B月1日、Tは、A月31日付の診断書(診断名:神経衰弱状態、1週間の自宅療養の必要性を認める内容)を事業所に提出。
簡単ではありますが、以上となります。
①Tに退職勧奨を行った後、管理者が当該事業所の個別支援計画書が作成されないまま請求業務が行われていたことを理事長に報告。理事・監事会を開き、県庁に報告、相談を行っています(事業所は数千万円単位の返還請求がされることを推測しています)。Tは不正請求の当事者です。
Tはサービス管理責任者で、個別支援計画書の作成義務がありますが、管理者から作成するよう言われたことはないことを主張しています(※サービス管理責任者研修は、個別支援計画書作成の内容が主に行われ、それを受講しているサービス管理責任者であるTが個別支援計画書の作成義務を知らないことは考えにくい事実です)。
退職勧奨を行った後に発覚したことから、解雇に関しては、懲戒解雇ではなく、あくまでも普通解雇で進めることとしております。不正請求に関する事実はどのように考えたらよろしいでしょうか。
②この事案で、Tは周囲の評価等を全く受け入れておらず、理事長が提示する解雇理由は身に覚えのないことのように主張しておりますが、解雇は妥当といえますでしょうか。なお、配置転換できない事由について、これまで起こった事実を報告していただくよう他事業所の責任者に依頼しています。
③本人が診断書を提出してきましたが、今後、労災認定となる可能性はありますでしょうか。これまで通院歴はありませんし、パワハラが行われた事実はありません。A月24日に解雇を言い渡され、それ以降、精神的につらい状況であるのは事実です。
④Tが弁護士に依頼した場合、不当解雇で争うことと思いますが、その他の可能性はありますでしょうか。また、事業所が裁判に負ける可能性は高いでしょうか。
⑤現時点で対策として行っておいた方がよいことがございましたら、ご教示いただけますと幸いです。
