深夜手当の不払いを賞与で精算したい

◯事案の概要

飲食業で深夜までの勤務が多い会社において、年間400~500万円程度の深夜手当の不払いが起こっている。次回の賞与を「将来発生する深夜手当」として支給(先払い)することは法律上問題があるか

◯相談内容

残業代、深夜手当と賞与について質問させてください。

今度から顧問になる会社で深夜手当の不払いがずっと起こっています。アバウトに計算してみたところ、月30~40万円程度(年間400~500万円程度)の不払いが生じています。

一方、賞与は年2回、おおむね基本給の2ヶ月程度を支給しています。こちらも社長の独断で決めます。

就業規則の定めには、賞与の「査定方法」は明記していません。「会社業績、個人の成績等をみて、総合的に会社が定める」という感じです。飲食業ということもあり、営業時間が深夜まであるので、深夜手当はどうしても発生します。

かつ、固定残業手当は30時間分ほど支給しているのですが、労働時間が長すぎて30時間分では全然足りていません。30時間超過した分は、普通残業については支給しているものの、深夜手当は支給なしです。

この状況で、社長から「深夜手当の不払いを賞与で精算できないか?」という質問がありました。この手の話はわりと多いので私も色々と調べたのですが、過去の不払い分を賞与で精算するのは難しいかなと考えています。そこで未来に向けた話しかないと思っているのですが、ここからが質問です。

次回の賞与を「将来発生する深夜手当」として支給(先払い)することは、法律上問題がありますでしょうか?賞与という言い方ではなく、「一時金」でもなんでもいいのですが。

《厚生年金保険法第3条第1項第4号》には、「賞与 賃金、給料、俸給、手当、賞与その他いかなる名称であるかを問わず、労働者が労働の対償として受ける全てのもののうち、三月を超える期間ごとに受けるものをいう。」とあるので、私は難しいと考えています。

上記のやり方ではなく、深夜手当をきちんと毎月支払うことも可能です。ただ、そうするとおそらくその後の賞与は大幅に減額されると思います。従業員には、深夜手当を支払ったから賞与を減額したという言い方はしませんし、そもそも賞与は◯ヶ月分と決めているわけではないので、賞与が少ない事については争っても支障はないかなと。

基本給が比較的高い会社なので、深夜手当もちゃんと払って、さらに賞与もこれまで通り、とする余裕がないのです。社長も、従業員にはなるべく多く賃金を支払いたいという気持ちはあります。

労働時間も月250時間を超える社員が何名かいるので、それも是正したいという考えです。

◯菰田弁護士の回答

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