一般社団法人の定款記載に他法人の関与を求める記載は可能か

◯事案の概要

3つの一般社団法人を設立する予定だが、そのうちの1つを上部団体とし、その下に2つの団体を組織したい。下部団体の定款において、上部団体に所属するという記載や、上部団体の経費を負担するというような記載は可能か

◯相談内容

現在、一般社団法人の設立登記手続を受託しております。今回設立する一般社団法人は①一般社団法人A協会、②一般社団法人A協会関東③一般社団法人A協会関西の3法人で、私が請け負っているのは③のみです。大元となるのは既に長期間運営している任意団体です。

当該団体としては、①を上部団体として、その下に②と③を組織したいとのことです。ただし、②と③の設立時、社員は自然人であり、①が法人として②と③の設立時社員となる予定はありません。

定款案の事業箇所には事業が5つ列挙されていて、第2項で「一般社団法人A協会に所属する」となっています。

①定款案の「一般社団法人A協会に所属する」との表現は可能でしょうか?

当該団体(の担当者)としては、①~③の法人の組織関係を定款中のどこかに規定しておきたいようです。また、不可の場合、定款の他の場所に規定することは可能でしょうか?

事業も登記事項となるため、この規定は適切ではないと考えます。定款中のどこかに当該内容を規定するとすれば、第1章(総則)の末尾あたりが適切かと考えます。

ただ、そもそも、他法人の名称をどのような形であれ、定款中に表現すること自体に若干の疑義があります。また、「所属する」との表現が曖昧なものであるとも考えています。

②上記定款案に、法人がA協会の運営に必要な経費を負担するとの規定があるのですが、このような他法人の運営に必要な経費の負担に関する規定を定めることは可能でしょうか?

こちらも①と同様に、他法人の運営に必要な経費の負担を定款中に表現することは、消極に解します。

監事は、社員総会の決議により社員の中から選任するとの規定があるのですが、監事になることができる者を社員に限定することは可能でしょうか?

モデル定款等で理事を社員から選任するという規定はよく見掛けるのですが、監事について同様の規定を見たことがないので、質問させていただくものです。

これについては、私は可能であると考えます。

一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第35条4項との関係が気になりますが、「個々の法人の具体的事情に照らして不合理でない範囲であれば、定款の定めにより理事になることができる者を一定の資格又は要件を満たす者に限定することはできる」との法務省民事局の見解(参考:『一般社団・財団法人法の法人登記実務(テイハン)』55ページ)を踏まえると、監事についても同様に解してよいものと考えます。

③ 社員総会の決議を必要とする事項について、他法人であるA協会の関与を要するとの規定を定めることは可能でしょうか?

このような規定は、一般社団法人及び一般財団法人に関する法律第35条4項の「その他の社員総会以外の機関が決定することができることを内容とする定款の定め」に該当し、削除すべきものと考えます。

◯菰田弁護士の回答

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について