被相続人の貸付金債権は遺産分割協議の対象となるか
◯事案の概要
経営者の配偶者が亡くなり、相続財産として預貯金と会社の株式、会社への貸付金がある場合、貸付金債権は遺産分割協議の対象となるか。また、金銭消費貸借契約書が存しないときの挙証資料として決算書類は有効か
◯相談内容
遺産分割協議書の作成のご依頼をいただきました。株式会社の経営者の配偶者が亡くなられて、共同相続人は経営者と子供3人の計4名です。遺産には不動産はなく、預貯金と会社の株式と、会社への貸付金です。
①被相続人の会社への貸付金債権は遺産分割協議の対象となるのでしょうか?
平成28年の最高裁判決で、預貯金(普通預金債権、通常貯金債権及び定期貯金債権)について、従来、可分債権であることを理由に遺産分割の対象とはならないとしていた判例を変更し、「遺産分割の対象となる」と判示したと記憶しています。(最判平成28年12月19日)
この判例に添うならば遺産分割協議の対象となるものと考えますが、いかがでしょうか?
②貸付金の内容は、役員貸付金です。この場合、金銭消費貸借契約書が存しないため、挙証資料は、決算書類を添付するしかないと思っていますが、いかがでしょうか?
また、遺産分割の結果、会社からすれば債権者が変わるので、債権譲渡の場合と同様に確定日付のある通知が必要でしょうか?相続人が同会社の代表取締役ですので、あえて確定日付のある通知は必要ないようにも思えます。いかがでしょうか?
