産休の従業員がいる場合でも週44時間の特例事業所に該当するか

◯事案の概要

個人開業医(事務所は1カ所)で従業員はパート含めて10名、うち1名が産休をとったため、代替要員として期間の定めのない従業員を補充している。この状況で週44時間の特例事業所に該当するか

◯相談内容

ある個人開業医で、週44時間の特例事業所に該当するかどうかという問題です。具体的には「産休中、育休中の労働者を常時雇用労働者」とカウントするのか?という質問です。

現在、この開業医は事業所が1つだけで、従業員はパート含めて10名おります。ただし、このうち1名(Tさん)は育児休業中で今はまったく出勤しておりません。このTさんが休業するまでは「労働者は9人」だったのですが、1人でも休業すると人手不足になるため、代替要員として1名(Bさん)を補充し、結果的に現在10人(休業中の者を含む)となっています。

なお、Bさんは代替要員ではあるものの、期間の定めはありません。だからTさんが職場復帰してもBさんも残るらしく、だったら「それは厳密には代替要員とは言えないのでは?」と感じるところではあります。

①色々と調べた結果、この「常時雇用する労働者」について、労働基準法には明確な基準はなく、「繁忙期のみの臨時パートは除いて良いが、それ以外はパート、アルバイト含めて全て常時雇用労働者としてカウントする」というのが一般的な解釈かと考えております。

ただ、どこを調べても「産休中、育休中の労働者の取扱い」については書かれておりません。2ヶ所の労働基準監督署に電話をしましたが、1つの労基署では「産休中、育休中の者はカウントしなくて良い」と回答され、別の労基署では「産休中、育休中の者もカウントしたほうがいいと思います」という曖昧な回答で、困っています。

私個人は、「産休中、育休中の者は常時雇用労働者としてはカウントしなくて良い」と考えております(ただし、Tさんが復帰後、従業員10人以上が継続されるようであれば、それが分かった時点から特例事業所には該当しないとも考えています)。

そう考える根拠は以下の2つです。

  1. 在籍はしているものの、休業中まったく労働をしていない(休業中に月1回とか、定期的に労働があるならカウントするべき)
  2. Tさんが休業しなければBさんは雇っておらず、休業がなければ従業員は10人未満だったはず

根拠2についてはちょっと弱い気がしますが、根拠①で足りるかなと思っています。

②また、「人の入れ替わりが激しく、基本的に常時雇用労働者は9人だが、瞬間的に10名になることがある事業所」では、44時間の特例事業所として扱えるかどうかも知りたいです。私としては、「年間通じて、10人未満である事が多いのであれば、特例事業所と扱って良い」と主張できると考えています。

以上、この44時間の特例事業所にかかる「常時雇用労働者」について、判例、事例、先生の解釈など聞かせていただけると助かります。

◯菰田弁護士の回答

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