建物を取り壊すため賃借人に退去してほしいと伝えたが拒否された

◯事案の概要

相続した建物を取壊し新築するため、賃借人に退去してほしいと伝えたが拒否された。賃貸借契約書は残っておらず、おそらく5、6ヶ月家賃の滞納も生じている状態になっている。

◯相談内容

既存建物を取壊し新築するため、賃借人の退去を促したい。依頼人は、同居していた非相続人(伯母)が作成した公正証書遺言により全財産を遺贈されました。この共同住宅は老朽化しており、建替えが望ましいとの伯母の意向も踏まえ、既存建物を取壊して新築を建て、自宅として引き続き居住したいと考えています。

このため、依頼人は別の居住者を訪ね、土地建物は依頼人が引き継いだ旨説明の上で、建物を取り壊すので2、3か月中の退去を依頼したものの、応じませんでした。

依頼人によると、この居住者も伯母も契約書らしきものは無いとしている一方、伯母がこの居住者から家賃を受け取っていたとしています。

このことから、両者間で賃貸借契約があるので、既存建物の単なる立替えを理由とする依頼人側の一方的な退去要求(契約解除)は困難と考えています。

なお、依頼人によると、家賃は、銀行振込みではなく手渡しであり、また、確認できる家賃の最終支払日は伯母の生前中となっていて、訪問日時点の家賃滞納は少なくとも5か月分から6か月分が認められるとしています。

①依頼人に対して引越費用の提供や未収家賃の放棄などを申し出て、自発的な退去を促すよう助言しつつ一方で、相手方が退去に応じない場合には、以下の対応を考えています。

伯母から依頼人が賃貸人の地位を引き継いだ旨、家賃入金は新たに指定する銀行振込みによる旨を文書で通知するとともに、同一の文書において、5、6か月分の家賃滞納(別途、年5%の損害遅延金)について、催告を1回行って、賃料全額分の賃料の支払いがないことを確認する。
その後、両者の信頼関係が無くなったとして契約解除通知を行って明渡し訴訟の提起するというアドバイスは妥当でしょうか。

②また、上記2の方法がスムーズに行かない場合、そもそも依頼人の願いは賃借人の退去ですが、文書による賃貸借契約があれば、依頼人にとって今後の手続きにより有効と考えています。

このため、依頼人から賃貸人に対し、伯母死亡日付まで遡って新たに書面化することを求めるよう助言するつもりですが、賃借人に応じる義務はないでしょうか。

◯菰田弁護士の回答

コンテンツの残りを閲覧するにはログインが必要です。 お願い . あなたは会員ですか ? 会員について