遺言書の付言事項で債務負担について記載することの意義

◯事案の概要

法定相続人の1人が被相続人とともに不動産の連帯債務者となっている。他の相続人にはこの債務を相続させたくないが、付言事項にそのことを記載しておくことは何らかの効果があるか

◯相談内容

長男夫婦と同居開始するにあたり、家屋を解体し新築した。その際に、3,000万円を金融機関より借入し(債務者は長男)、抵当権設定時(信用保証会社の求償債権が被担保債権)長男Cと遺言者Aが連帯債務者となった。

元利均等の毎月の返済額の半分を遺言者が負担している。遺言者は、相続開始後は、長男Cが債務全額を相続すべきで、できれば妻Bや長女D・二男Eの債務は免除してあげたいと考えている。

1 対債権者の関係

相続債務は、具体的相続分とは無関係に法定相続分に応じて分担するものと解されているので、遺言者Aの連帯債務は、妻Bが2分の1、子供C・D・Eは各6分の1ずつ相続することになる。

2 共同相続人同士の内部関係

現実に取得したプラスの相続分(上記の遺言書による各人の取得割合)に応じて負担する。

「相続放棄」をせずに債務を相続しない方法としては、債権者が承認すれば、債務引き受け相続人と債権者が「免責的債務引受契約」を結ぶ方法はあります。但し、将来、債権者が承認するかは不透明なので、あまり期待しない方がいいと思われます。

長男Cがきちんと返済できれば問題は起こりません。長男Cも、母親や兄弟にローン返済の協力は求めていないとのこと。遺言書には、連帯債務に関しては何も記載せず、将来相続発生時に法律に従って処理するしかないとも思われます。

但し、法定な効力はないものの付言事項として「ローンの残債がある段階で将来相続が発生した場合には、長男がすべて債務を引き受けるよう求める」ことを記載することを遺言者には提案した。遺言者Aは、「すべてお任せします」とのこと。

上記の見解について、どう思われますか?(記載した方がよいのか、何も記載しない方が良いのか)

◯菰田弁護士の回答

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