暦通りに働くと所定労働時間を下回るとき、不足時間はどう考えればいいか

◯事案の概要

社員の1月あたりの所定労働時間を170hと定めている会社がある。しかし連休が多い月などでは、暦通りに働くと所定労働時間を下回る。このとき、不足した時間についてはどのように考えれば良いか

◯相談内容

ある会社では、社員の1月あたりの所定労働時間を170hと定めており、休日は就業規則で「土日祝日」と定めています。この会社で、9月の場合、暦どおりに平日を働くと、8h×18日=144hになると思いますが、所定労働時間を170hと定めた場合、26hが不足することになります。

これが通常月(連休のない月)の欠勤等であれば、26h分を控除することになると思います。ただ、社員としては暦どおりに働き、就業規則上の休日を取得すると144hしか働けない月などが出てきます。

こうしたケースで不足分の26hをどうするかという点ですが、

  • 不足分の26hについては、休日時に出勤してもらい不足時間分を解消してもらう
  • 不足時間分については、社員の責によるものではないので、勤務したものとみなし、不足時間分の控除は行わない。また、休出等を要請し、不足時間分の解消を求めるようなことも行わない

この2つの対応が考えられると思います。
①私としては、後者になるかと思いますが、いかがでしょうか。

②2の「不足時間分の控除は行わない」とした場合、土日祝日の定めの関係で就労可能な時間数である 144hから所定時間の170hの間の賃金についても、どのように扱うかという問題があります。

時給制・日給制の場合であればこうした問題は起こりづらいと思いますが、月給制で欠勤控除を行う(日給月給制?)の場合は以下の2つが考えられます。

  1. (144~170hの間の労働について)時間単価×1.0×実働時間数を追加して支払う
  2. 144~170hの間の労働については、基本支給以外は支払わない

※170h超過分については、両方とも割増賃金を支払う

私としては、雇用契約締結時には、5・9月のような連休によって所定労働日が短くなるような月を前提に賃金設定をしているわけではないので、144~170hの間の労働については、基本支給以外は支払わないということになるのではないかと考えますが、いかがでしょうか。

また、本件についていろいろと相談を受ける中で、そもそも所定労働日数・所定労働時間の意義がわからなくなってきました。これらについては、勤怠控除や割増賃金計算に必要な日割・時間単価計算で必要となる単なる基準であるのか、それとも会社として所定として定めた日数・時間を「働かなくてはならない」という義務(命令)なのでしょうか。

◯菰田弁護士の回答

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